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問題発言連発の小西洋之議員、憲法審幹事を更迭…法的措置匂わせ言論弾圧的発言も

文=Business Journal編集部、協力=山岸純弁護士/山岸純法律事務所代表
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問題発言連発の小西洋之議員
小西洋之参議院議員(Facebookページより)

 立憲民主党の小西洋之参議院議員が、参院憲法審査会の野党筆頭幹事の職を更迭された。小西氏は、憲法審査会の毎週開催は「憲法のことなんか考えないサルがやること」「蛮族の行為」などと発言し、党から厳しく注意を受けていた。

 同氏は、発言は撤回したものと主張し、「不快な思いをされた方々にはお詫びを申し上げたい」と謝罪の意思を示したが、与野党から批判が上がり、筆頭幹事を交代させるよう求める声も出ていた。

 小西氏は、「私が刺されない理由は、私が総務省の内部機密文書をいっぱい持ち出して持っているから」と語り、機密文書を持ち出す違法行為を示唆するなど、問題発言が頻発している。

 そんななかで特にSNS上で波紋を広げているのが、ツイッター利用者に対して訴訟をちらつかせる言葉の数々だ。

 事の発端は、某ニュースサイトが小西氏の政治資金に不透明な流れがあると報じたことだ。「麻布食品」という実体のない会社に3年間で69万円の支出があり、同社の社長は河野太郎デジタル大臣の実弟であるというのだ。

 すると小西氏は、同サイトと記者に対し、「刑事告訴を含め強力な法的措置」を取ると警告。さらに、「一切容赦なく全員を起訴するように検察に求めます」と述べた。

 不透明な支出があるとの指摘に対して丁寧な説明をすることなく、突然法的措置をちらつかせたことで、かえってツイッター上では小西氏に反発する声が噴出。麻布食品について説明を求めるツイートが溢れた。

 これらに対し小西氏は「法的措置を取ります」と強硬姿勢を取ったが、「麻布食品」とつぶやく声は収まるどころか、むしろ「麻布食品麻布食品麻布食品」などと連呼するツイートが増えた。一方の小西氏も、「麻布食品」とツイートした人々に対し、「刑事告訴をします」「きわめて悪質なので民事よりも刑事手続きを先行させます」などと刑事告訴を宣言し、ツイートを削除するよう求めた。

 だが、具体的に小西氏を誹謗中傷する言葉ではなく、単に「麻布食品」とつぶやく行為が、なんらかの罪を成り立たせることがありうるのだろうか。山岸純法律事務所代表の山岸純弁護士は、次のように説明する。

「一つひとつツイートを見たわけではありませんが、『小西議員は、麻布食品にカネを流して悪どい犯罪を行っています』などといったレベルではない限り、民事上も刑事上も名誉棄損罪などが成立する可能性はゼロに等しいでしょう。

 理由をざっくり言うと、政治家に対するコメント、評価、意見、批判などは、一般人に対するものよりも『公共性』が高く、政治家はこのようなコメント、評価、意見、批判を甘受すべき立場にあり名誉毀損罪などで守る必要が低いと考えられているからです。

 そもそも、本当に刑事告訴するなら、わざわざ『刑事告訴するぞ』などとイキらなくても、黙って手続きしていればよいわけです。

 それを、刑事告訴どうのこうのとイキがっているのは、正当な表現(全部がそうではないでしょうが)を萎縮させる危険な行動であり、政治家としての資質を疑います」

 小西氏が、ツイッター利用者たちの発言について、どのような違法性があると判断したかは不明だが、「刑事告訴」を匂わせて発言を抑え込もうとする行為は、はたして国会議員にふさわしいのだろうか。

(文=Business Journal編集部、協力=山岸純弁護士/山岸純法律事務所代表)

山岸純/山岸純法律事務所・弁護士

山岸純/山岸純法律事務所・弁護士

時事ネタや芸能ニュースを、法律という観点からわかりやすく解説することを目指し、日々研鑽を重ね、各種メディアで活躍している。芸能などのニュースに関して、テレビやラジオなど各種メディアに多数出演。また、企業向け労務問題、民泊ビジネス、PTA関連問題など、注目度の高いセミナーにて講師を務める。労務関連の書籍では、寄せられる質問に対する回答・解説を定期的に行っている。現在、神谷町にオフィスを構え、企業法務、交通事故問題、離婚、相続、刑事弁護など幅広い分野を扱い、特に訴訟等の紛争業務にて培った経験をさまざまな方面で活かしている。
山岸純法律事務所

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