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iGamingに関するスウェーデンの法整備から日本の法整備について考える

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 2018年に日本でもカジノ法案が成立し、大阪の夢洲にカジノリゾートが設立されることが決定しました。カジノによる治安の悪化などの懸念を理由にかなり反対の声も大きかったことから、話題となったことは多くの人にとって記憶に新しいでしょう。

 もともと日本では国から認可されたギャンブル(競馬や競輪・パチンコなど)以外は違法とされており、賭博に関しての法整備は比較的に厳しく思われていますが、実は日本のギャンブル市場は他のヨーロッパの国と比べても比べ物にならないほど大きいのです。

 さらに近年はインターネット上のギャンブル、通称「iGaming」が全世界で急速に普及し、その市場規模は年々拡大しています。その成長に伴い、日本を含め各国ではこの新しい産業をどのように法律で規制するかが重要な課題となっています。この記事では、先進的なiGaming法規制を進めているスウェーデンの事例を取り上げ、日本の法整備について考えていきます。

iGamingとは

 iGamingとは、オンラインカジノやブックメーカーなど、インターネットを通じたギャンブルのことを指します。様々なゲーム形式、競技イベントへのベット、さらには仮想現実(VR)を使った体験まで、その範囲は日々広がっています。iGamingは24時間365日、どこからでもアクセス可能という便利さから世界中の人々に受け入れられ、巨大なビジネスチャンスを生み出しています。

 さらに、全てオンラインで完結することから競馬やパチンコよりもさらに高い還元率を実現しており、よりお得にプレイできるオンラインカジノのボーナスなどを提供することによって、ユーザーにとってはさらに魅力的なサービスとなっているのです。

 しかしながら、未成年者のギャンブル参加、ギャンブル依存症の問題、不正行為の防止など、iGamingには様々な問題点も存在します。そのため、各国で適切な法整備が求められているのが現状です。

日本のiGaming市場と現行の法規制

 日本では現在、オンラインカジノやブックメーカーなどのiGamingは非合法とされていますが、オンライン競馬やオンライン公営ギャンブルなど一部の例外があります。しかし、国境を越えて海外のサーバーを介したiGamingに対する規制は未整備であることが事実。現行の賭博を禁止する法律はインターネットが普及する以前に作成されたものであり、オンライン上での賭博については記載されていません。

 そのため、政府は賭博行為全般を禁止しているものの、法律が未整備であることから実際に逮捕などができずに、事実上日本からでもアクセスが可能な状態な野放しな状態なのです。そのため、早急な法整備が必要であると考えられています。

スウェーデンのiGaming法規制の例

 もともとスウェーデンではランドカジノが合法で、ギャンブル市場としては4つある国内のカジノが独占している状態でした。しかしiGamingの急成長と共に、スウェーデン政府は未規制だったギャンブル市場の管理を徹底するために、2019年に新しいギャンブル法とオンラインカジノのライセンス供与システムを採用しました。

 それを元に、スウェーデンでiGamingを運営するオペレーターは厳格な審査を受けてライセンスを取得しなければならなくなりました。さらにライセンスは一定期間ごとに更新する必要があり、その過程で運営状況が厳しく評価されます。

 また、プレイヤー保護の観点からもさまざまな取り組みが行われています。たとえば、全てのオペレーターはプレイヤーが自己排除(自分自身をギャンブルサイトから一時的あるいは恒久的に排除すること)できるシステムを提供しなければならないと規定されています。これにより、ギャンブル依存症の予防や早期発見に役立てられています。

 さらにオペレーターは合法的にライセンスを取得するためには、450万円〜800万円ほどの費用を払う必要があり、利益の18%が税金としてスウェーデン政府に徴収されます。そのため政府もこの新しい法律により恩恵を受けることができるようになったのです。

参考 : The Jerusalem Post

 日本がスウェーデンのiGamingの法整備から学べること
2019年に施行されたiGamingに関する法整備は、プレイヤーを依存症などから守りさらに政府も税収入を得ることができる良い例であると考えられます。現在の日本の状態では、政府としての税収などは一切なく、日本で賭けられたお金が全て海外の企業に流れてしまっている状態です。

 もちろんiGaming全般を法律で禁止してしまうということも可能ですが、すでに多くの人がオンラインカジノやブックメーカーを利用していることを考えると、運営する側に制限を設けプレイヤーを守り、政府もそこから税収を得る方が現実的と言えるでしょう。

 iGamingは今後も世界中で拡大すると予想される産業であり、その成長を支える法整備は避けて通れない課題です。その一方で、法整備は単に規制を設けるだけでなく、新しい産業の発展を促進し、消費者を守る役割も果たします。日本でも、iGamingの合法化や規制を検討する際には、海外の先進的な事例を参考にしながら、日本独自の問題に対応する法規制を構築していくことが求められます。

※本記事はPR記事です

BusinessJournal編集部

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