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日本製鉄は19日、米鉄鋼大手USスチール買収について、オンライン形式で説明会を開いた。日鉄の橋本英二社長は、「新たな時代のグローバルネットワークを完成させたい」と述べ、既にM&A(合併・買収)を展開した東南アジア諸国連合(ASEAN)地域とインドに加え、成長が見込める米国に新たな世界戦略の拠点を持つことの意義を強調した。
日鉄は18日、USスチールを2兆円超で買収すると発表。日鉄としては過去最大の企業買収で、関係当局の承認などを経て2024年4~9月に完全子会社化する予定だ。脱炭素に関する両社の先端技術を結集し、日本の成長力強化を目指す。
米国はエネルギー価格が安いため製造業の国内回帰が進んでおり、日鉄の強みである高級鋼材の需要がある。また、USスチールは鉄鉱石の鉱山を保有し、米国内で地産地消できるという点も買収を後押しした。
日鉄はこれまでインドやタイなど現地鉄鋼メーカーの買収を進めてきた。橋本氏は「いい案件があれば常に、成長と世の中の役に立つという観点から考えていくのが経営だ」と強調。今後も海外事業拡大に向けて企業買収も検討する考えを示した。
世界鉄鋼協会によると、両社の粗鋼生産量(22年)は単純に合算すると計5886万トンに上り、宝武鋼鉄集団(中国)とアルセロール・ミッタル(ルクセンブルク)に次ぐ世界3位の規模となる。
USスチール買収をめぐっては、全米鉄鋼労組(USW)が規制当局に厳正な承認審査を求める声明を公表した。橋本氏は「大規模な案件なのでいろいろな意見が出てくる。冷静に対応していきたい」と語った。(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2023/12/19-17:33)
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