これからは「稼ぐ蓄電池」の時代。Natureが描く、家庭発・エネルギー最適化の未来

再生可能エネルギーの導入が加速するなか、発電側だけでなく需要側、すなわち家庭での電力の使い方をいかに最適化するかが、次の重要なテーマとなっています。
太陽光発電やEV、蓄電池といった分散型エネルギー機器が普及する一方で、それらを個別に使うだけでは十分な価値を引き出せません。こうした機器をIoT化することで電力システムにつなぎ、電力需要そのものをコントロールすることで、新たなエネルギーの使い方を実現しようとしているのがNature株式会社です。
今回は創業者でCEOの塩出晴海氏に、レジル株式会社の安藤圭祐が創業の背景からプロダクト戦略、そして再エネ時代における家庭の役割について話を聞きます。
父とともに、ヨットで沖縄まで旅をした原体験

安藤:Natureを創業された背景を教えてください。当時、どのような社会課題や問題意識を抱き、「自然×テクノロジー」というテーマにたどり着いたのでしょうか?
塩出:父が起業家だったこともあって、小さい頃からプロダクトが生まれていく様子を間近で見てきました。その中で、自分でプロダクトを開発して世の中に広げていくことの面白さを感じるようになりました。
10歳の頃には将来は起業をしたいと考えるようになり、小さい頃からプログラミングを経験して、大学では海外でコンピューターサイエンスを学んだり、インターンシップを経験したりしました。2008年に新卒で入社した三井物産ではユビキタス事業(現在のIoT事業)に取り組みたかったのですが、当時は市場が立ち上がっておらず、入社直後にその部署が廃部になりました。
そこで、起業家としての将来を見据えて人生を振り返ったとき、入社する前に父とヨットで沖縄まで行った体験が強く印象に残っていて、「自然」との繋がりが自分の軸にあると気づいたんです。そこから「自然と人の共生」をテーマに据え、その中で最も大きなインパクトを出せる領域として電力事業にたどり着きました。
安藤:電力に関する知識は三井物産で得たのでしょうか?
塩出:そうですね。発電事業などに関わる中で、電力への理解は深まりました。その中で、自分のバックグラウンドであるIoTと電力の接点が、需要側のデマンドマネジメントにあると気づいたんです。その考えが、今のプロダクトにつながっています。
自家消費率を最大化するHEMSの役割

安藤:「Nature Remo E(ネイチャーリモ イー)」シリーズや「Nature EV Switch(ネイチャー イーブイ スイッチ)」などの主要プロダクトは、家庭内のエネルギー機器(太陽光・蓄電池・EVなど)と連携することで、どのような課題を解決しているのでしょうか?
塩出:我々がまず目指しているのは、自家消費率の最大化です。
一例をあげると、現在、家庭向け電気の販売価格は事業者にもよりますが、電力料金ベースで1kWhあたり約40円となる一方、卒FIT後の家庭用太陽光の売電価格は10円ほどになります。つまり、発電した電気を売るよりも、自家消費をした方が得になる。そこで、EVやエコキュート、太陽光発電システムなどを横断的に連携し、最適なタイミングで電気を使うことで、家庭全体の電気代の引き下げを目指す。こうした最適化を実現するのがHEMS(Home Energy Management System)機器のNature Remo Eです。メーカーを問わずさまざまな機器と接続できる点も特徴です。
安藤:EV向けのNature EV Switchはどのような位置づけですか?
塩出:僕もEVに乗っていますが、バッテリー充電時には6kWという非常に大きな電力を消費するんですね。一般的な家電が最大でも1〜2kW程度なのに対して、EVは約6kWの出力で充電する。EV充電のタイミングで電力需要のピークが大きく変わっていくわけで、すでにEVが普及している国はそういった課題に直面しています。そこで、充電のタイミングを制御できるデバイスとして開発したのがNature EV Switchです。通常のEV充電用コンセントに接続するだけで、低コストでスマート化できるのがポイントです。
家庭の電力を「見える化」し、自動最適化

安藤:御社の製品を導入することで、利用者にはどのような行動変化が生じますか?
塩出:大きな変化は「可視化」と「自動制御」です。
家庭内での電力使用量や発電量を正確に把握している人は、まだまだ多くないでしょう。Nature Remo Eがあれば電力使用量はもちろん、太陽光パネルの発電量や売電量が逐一モニタリングできるようになるので、電気を効率的に使えるようになります。特にEVとの連携はインパクトが大きいですね。
例えば、太陽光発電による余剰電力が4kWあり、EVを最大出力で充電するのに出力が6kWとなる場合。卒FITだと売電価格が約10円に対して、電気の販売価格は約40円なので、足りない2kWは高い電気を買うことになるから、充電の出力を4kWに抑えた方が合理的です。実際、余剰電力をNature Remo Eで確認しながら、手動でTeslaのEVの充電電力を調整しているお客さまもいらっしゃいました。
安藤:需要側が手間暇をかけることなく、自動的に自家消費率を最大化できる機能は素晴らしいですね。
塩出:僕らが目指すのは「ユーザーに何かをやってもらう」のではなく、導入するだけで電気代が安くなるプロダクトです。難解で複雑な電力の仕組みをユーザーに理解してもらおうとするのは一筋縄ではいきませんし、手間のかかるサービスでは絶対に普及しません。エアコンと異なり、EVも蓄電池もエコキュートも電力需要のピークをうまく回避しながら活用できる機器だと思います。
再エネ時代の主役は、家庭用エネルギー

安藤:再生可能エネルギーが主力電源となる未来に向けて、家庭用エネルギーの最適化はどのような役割を果たすと考えていますか?また、その中で御社が担うべき役割は何でしょうか?
塩出:経済産業省も調整力として家庭用のエネルギーリソースに注目しています。また、政府としても引き続き再エネを育てていく方針に変わりはないでしょう。それにより電力価格のボラティリティ(変動性)も大きくなる中、EVや蓄電池、エコキュートなどの機器をネットワーク化して制御することで大きな調整力になると考えています。
政府が公表している資料でも、2030年頃には家庭用のリソースが最も大きなポテンシャルを持つようになると予想されています。ユーザーに負担をかけることなく、私たちの機器を導入するだけで電気代が安くなり、自家消費率も上がる。さらに、調整力市場での収益をユーザーに分配する仕組みも目指しています。
安藤:太陽光発電のような不安定なエネルギーは、出力をコントロールできないので、使いやすい調整力があるのは非常に良いことだと思います。貴社のビジネスモデルにおける優位性はなんなのでしょうか。
塩出:僕らの競争優位性は、デザインを含めたプロダクトのUI/UXにあると考えています。
「ソフトウェアをメインにして調整力ビジネスを展開すれば良いのでは?」という意見もあるかもしれませんが、それはソフトウェアだけで収益化できるくらいマーケットが大きくなって初めて実現できることです。そこに至るまでにはマネタイズポイントがハードウェアにしかないので、まずはクオリティの高いハードウェアを展開して、次のステップとして蓄電池などを自社ブランドとして開発していくつもりです。
稼ぐ蓄電池が切り拓く、新しいマーケット
安藤:最後に、再エネ100%の未来を実現するために、今後5〜10年で特に重点を置いて進めていきたい取り組みや事業領域を教えてください。
塩出:家庭のエネルギーリソースになりうる製品展開の加速化です。家庭用リソースとしての可能性がある機器は蓄電池、EV、エコキュート、エアコンの4つですが、その中でも蓄電池が最も重要だと考えています。コストの問題も自家消費率を上げたり、需給調整市場で活用することで十分に回収できる可能性があります。今までにない「稼ぐ蓄電池」というコンセプトで展開していきたいと考えています。
安藤:私も蓄電池には大きなメリットがあると考えています。いつ、どこに、どれだけの容量が溜まってるのかが他のリソースと比べて明快ですし、特に家庭用蓄電池においては価格も落ち着いてきているため、導入しやすさも相まって普及していくでしょう。さらに、この蓄電池を自家消費だけでなく調整力として副次的に活用することで、収益タッチポイントを増やすことにもつながるため、今後のNatureさんの取り組みには大変期待しております。
※本稿はPR記事です。





