消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
預金(貯金)残高といえば、筆者が昨年から社外取締役を務めるゆうちょ銀行が、長年にわたって国内最大の座を維持してきた。そのため、全国銀行協会や民間銀行が繰り返し“民業圧迫”批判を展開してきた経緯もある。実際、三菱UFJ FGの平野社長は今年1月に全国銀行協会長として記者会見した際に、「郵政事業改革の本来の目的は、国際的に類を見ない規模に肥大化した郵貯事業を段階的に縮小」することだと語っている。
だが、14年度末の貯金残高は、ゆうちょ銀行の177兆7108億円に対して、三菱UFJ銀行は153兆3000億円と接近している。海外向けの融資も含めて幅広い運用手段を持つ三菱UFJ銀行が大きく貯金残高を伸ばしてきたのに対し、手足を縛られたままのゆうちょ銀行はあまり貯金残高を増やせなかった。ちなみに、ゆうちょ銀行の14年度の最終利益は3694億3400万円と、三菱UFJの3分の1。他のメガバンク2行の半分の水準にとどまった。
今後も、両者が過去数年と同じようなペースで預貯金残高を増やし続けるとすれば、3~4年後には三菱UFJ銀行がゆうちょ銀行を抜き去り、預貯金残高トップの座に躍り出ることになるだろう。メガバンク隆盛の前では、ゆうちょ銀行に対する“民業圧迫”批判さえ、過去の遺物になりつつあるのかもしれない。
(文=町田徹/経済ジャーナリスト)
Business news pick up
RANKING
11:30更新関連記事
2024.11.25 06:05
2024.11.24 17:00
2024.11.24 13:10
2024.11.24 11:50