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小林敦志「自動車大激変!」

トヨタ新型RAV4がヒット、月販目標台数の8倍に…SUV市場で他社を圧倒の納得の理由

文=小林敦志/フリー編集記者
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トヨタの「RAV4」(「トヨタ RAV4 | トヨタ自動車WEBサイト」より)

 4月10日に新型車がデビューし、日本市場への復活を果たした「RAV4」の販売が好調に推移している。

 トヨタ自動車が5月16日に発表した「新型RAV4 受注状況について」というニュースリリースでは、4月10日の発売から5月15日時点での受注台数が約2万4000台となり、月販目標台数3000台の8倍に達したことが伝えられている。また、4WDの比率が全体の9割に達しており、新4WDシステム搭載車は全体の3割(ハイブリッドではない普通のガソリン車は9割)になっているという。

 日本自動車販売協会連合会(自販連)の統計によると、新型RAV4が発売された2019年4月の販売台数は3136台、同年5月は6817台、同年6月は7822台となっている。いずれも月販目標台数を超えており、特に5月は目標の2倍、6月は2.5倍となっている。トヨタのウェブサイトでRAV4の工場出荷目処を見ると、注文してからガソリン車で2カ月程度、ハイブリッド車は3~4カ月程度となっているので、現状では5月15日時点で約2万4000台というバックオーダー分の登録を行い、納車しているのが販売台数として表れているのだが(統計数値は登録台数ベース)、少なくとも発売後の立ちあがり段階ではヒットモデルと呼んで問題ない状況といえるだろう。

 2018年3月末にニューヨークショーでワールドプレミアされた段階で日本市場でも新型が販売予定とされていたが、当時販売現場で話を聞くと、ボディサイズの大きさを気にする声もあった。しかし、発売直前にメーカーから商品概要が記されたスタッフマニュアルが配られると、「ヴァンガードと比べても大差ないので、これはイケそうだ」との声に変化していった。

 メーカーも販売促進活動には積極的だったようで、4月10日の正式発売前にけっこうきつめの予約受注ノルマが現場のセールスマンに課された、との話も聞いている。約2万4000台のバックオーダーの多くは発売前の予約受注段階のものと推測できるが、そこには“販売のトヨタ”らしい、セールスマンの高い手腕による予約受注獲得もあるだろう。ただし、契約者がモデル自体に高い魅力を感じなければ、この数値は達成できなかったはずである。

C-HR対ヴェゼルのゆくえにも影響か

 トヨタは、近いサイズのSUVとして「C-HR」を2016年12月に日本国内で発売。C-HR は2017暦年締めでのSUVカテゴリー販売台数ナンバー1を獲得し、以降2018暦年締め、2018事業年度締めでもSUV販売台数トップのヒットモデルとなっている。しかし、直近の2019暦年締め上半期(1~6月)はトップの座をライバルのホンダ「ヴェゼル」に明け渡している。わずか1224台(月販平均差204台)という僅差でトップ陥落となったのだが、それは単にヴェゼルとの勝負に負けたというよりRAV4の存在が大きかったともいえるだろう。

 C-HRは2018事業年度締め上半期(4~9月)販売台数ではヴェゼルに約8000台差をつけ、SUV販売台数トップとなっている。しかし、その後単月での販売台数を見ると、前年比で2018年12月が72.4%、2019年1月が78.8%、2月79.8%、3月81.4%となっていた。同時期にヴェゼルは3月のみ前年比100%割れしているが、ほかの月は100%超となり、1月にはC-HRがヴェゼルに販売台数で抜かれている。

小林敦志/フリー編集記者

小林敦志/フリー編集記者

1967年北海道生まれ。新車ディーラーのセールスマンを社会人スタートとし、その後新車購入情報誌編集長などを経て2011年よりフリーとなる。

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