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小林敦志「自動車大激変!」

トヨタ新型RAV4がヒット、月販目標台数の8倍に…SUV市場で他社を圧倒の納得の理由

文=小林敦志/フリー編集記者
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 もちろん、ヴェゼルの追い上げが激しく、お客を取られるということもあるだろうが、新型RAV4のデビューが2019年4月頃になるとの情報も早くから流れていたので、「RAV4が間もなくデビューするなら、C-HRの購入は少し待っておこうか」という消費者心理が働いたとも考えられる。

 C-HRはスタイリッシュであり、SUVのなかでもさらに細分化した“クーペSUV”などと呼ばれるカテゴリーに入るモデルとなり、居住性や積載性といった実用性よりは見た目勝負という部分の強いモデルである。そのため、デビュー当初はトヨタのクーペモデルに乗るユーザーへの代替え促進も活発に行われたと聞いている。

 しかし、スタイリッシュであるがゆえに後席居住性が狭かったり、ラゲッジスペース容量が少なかったりという部分があり、購入に二の足を踏むお客がいるのも確か。販売現場では、同サイズでの正統派SUV、つまりRAV4の国内復活を願う声が上がっていた。

新型RAV4がヒットした理由

 初代RAV4は1994年にデビュー。デビュー当初はホイールベースの短い3ドアのみだったが、本格的な4WDシステムだったこともあり、セミリタイア層が秘境の温泉に出かけるといったニーズも含めて人気が高く、さらに1995年にホイールベースを延長した5ドアがデビューすると、さらに人気が高まった。

 2000年登場の2代目まで5ナンバーサイズを維持し、その後3ナンバーとなり、3ドアのなくなった3代目が2005年にデビュー。日本国内向けはこの3代目のとき、2016年に生産が終了している。海外市場ではその後も2013年に4代目がデビューして販売が継続されており、北米や中国ではトヨタの看板車種といえるほどの人気モデルとなっている。

 一時、国内販売では空白期間があったものの、初代デビューから22年間販売が続けられたキャリアは伊達ではない。また、初代ではCMキャラクターに“キムタク”こと木村拓哉氏を採用したこともあり、その知名度の高さで販売空白期間を吹き飛ばしたといえる。それらの要因が消費者に「あのRAV4が復活する」と思わせ、新型RAV4 をヒットに導いたと言っても過言ではない。

 リセールバリューの高さも、販売現場にとっては売りやすさがあるとの話も聞く。RAV4の人気は日本国内より世界市場のほうが高い。それは新車だけでなく、日本から輸出される中古車も同様だ。そのため海外バイヤーの人気も高く、低年式車でも思いがけない査定額がつくという話も聞いたことがある。つまり、リセールバリューがある意味“鉄板”で良いということも“強いアピールポイントとなる”とするセールスマンもいるようだ。

小林敦志/フリー編集記者

小林敦志/フリー編集記者

1967年北海道生まれ。新車ディーラーのセールスマンを社会人スタートとし、その後新車購入情報誌編集長などを経て2011年よりフリーとなる。

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