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小林敦志「自動車大激変!」

トヨタ新型RAV4がヒット、月販目標台数の8倍に…SUV市場で他社を圧倒の納得の理由

文=小林敦志/フリー編集記者
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 日本ではもちろん、海外では特に宿敵となるホンダ「CR-V」も、3代目のときの2016年前半には事実上販売終了となり、2018年8月には5代目が日本国内で復活しているが、こちらは月販目標1500台と控えめだ。さらに、自販連統計を見ると8月末の正式発売以降、ハイブリッドが発売された11月以外は目標台数をクリアできなかったが、2019年2月1691台、3月3480台と急伸し、再び4月1260台、5月1035台、6月837台と急落している。

 2月、3月は新型RAV4デビュー直前であり、相乗効果もあって伸びたようだが、その後はRAV4に競り負けるというよりは、そもそも競り合うことなくRAV4にお客が流れていってしまっているようにも見える。

 カテゴリーやボディサイズ、キャラクターがRAV4と近いので、CR-Vは国内外を問わずライバルとして紹介されるが、RAV4の培った知名度の高さとトヨタディーラーの新車販売に対する底力の前に、今では軽自動車やコンパクトカー、ミニバンなどの販促に半ば特化しているホンダディーラーが太刀打ちできていないことを露呈しているようにも見える。

RAV4最大のライバル車はハリアー?

 しかし、RAV4の前に強敵がいないわけではない。RAV4最大の強敵といえるのはズバリ、トヨタ「ハリアー」。自販連統計での直近となる6月の単月台数では、RAV4がダブルスコア以上でハリアーに勝ってはいるが、2019暦年締め上半期(1~6月)の平均月販台数は3462台となり、2017年のマイナーチェンジ実施時の月販目標台数2500台を軽く上回っている。

 現行ハリアーは2013年にデビューしているので、すでに6年が経過しており、さらにRAV4がカローラ&ネッツの併売であるのに対し、ハリアーはトヨペットの専売車種となっていることも考えれば、正真正銘のヒットモデル。RAV4も新型車需要期間(発売から3カ月程度は新型が欲しいという特需のような期間となる)、さらにはバックオーダーを消化して以降も月販目標3000台超えを続けられるかどうかは、ハリアーとの競り合い次第といえよう。

 ヴェゼルは2019暦年締め上半期でSUV販売ナンバー1となったが、ホンダがラインナップしている登録車でのSUVとなるヴェゼルとCR-Vを合算すると、上半期の登録車SUVの販売総数は4万3015台。一方トヨタは、RAV4、ハリアー、C-HRを合算しただけでも7万768台となっている。メーカートータルでカウントすれば、トヨタが断トツでカテゴリートップになる。さらに、年後半には5ナンバーサイズのコンパクトクロスオーバーSUVがデビュー予定ともされている。

 国内販売では圧倒的な販売スケールとパワーを持つトヨタに他メーカーが対抗するには、販促車種を特化し、トータルランキングやカテゴリー別で車名別販売台数ナンバー1などをPRして存在感を見せるしかない。そんな“トヨタ1強”状況を、RAV4復活でも強く実感することができた。

(文=小林敦志/フリー編集記者)

小林敦志/フリー編集記者

小林敦志/フリー編集記者

1967年北海道生まれ。新車ディーラーのセールスマンを社会人スタートとし、その後新車購入情報誌編集長などを経て2011年よりフリーとなる。

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