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山田修「間違いだらけのビジネス戦略」

パナソニック、「パナソニック」全否定で別会社化 総入れ替えの構造改革完了

文=山田修/ビジネス評論家、経営コンサルタント

 これで、PPMと同じように4象限ができるので、パナソニックの数多くの事業をプロットする。それぞれの事業の年商は、プロット点を中心とした円を描いてボリューム感を表す。ただし事業が多すぎると円が重なってわからなくなるので、その場合は円は割愛してもいい。

 あとは、PPMと同じだ。右下象限の事業は「負け犬」だから撤退する。左下事業は、「キャッシュ・カウ」で利益収穫事業、右上事業は「問題児」でなんとかテコ入れして左上「スター」事業に仕上げたい。この山田式PPMは「プロジェクト・ポートフォリオ・マネジメント」という。「プロダクト(製品)」ではなく、「プロジェクト(事業)」のやりくりを主眼とした考え方だ。

 津賀氏は、「15年度からは反転攻勢」として1兆円投資を表明している。外部企業の合併・買収(M&A)はもちろん、大型工場建設や研究開発などで初年度の16年3月期は総額4800億円を投じる計画だ。ぜひ、山田式PPM的な戦略思想を駆使して、メリハリのある大投資を行ってほしい。
(文=山田修/ビジネス評論家、経営コンサルタント)

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

経営コンサルタント、MBA経営代表取締役。20年以上にわたり外資4社及び日系2社で社長を歴任。業態・規模にかかわらず、不調業績をすべて回復させ「企業再生経営者」と評される。実践的な経営戦略の立案指導が専門。「戦略カードとシナリオ・ライティング」で各自が戦略を創る「経営者ブートキャンプ第12期」が10月より開講。1949年生まれ。学習院大学修士。米国サンダーバードMBA、元同校准教授・日本同窓会長。法政大学博士課程(経営学)。国際経営戦略研究学会員。著書に 『本当に使える戦略の立て方 5つのステップ』、『本当に使える経営戦略・使えない経営戦略』(共にぱる出版)、『あなたの会社は部長がつぶす!』(フォレスト出版)、『MBA社長の実践 社会人勉強心得帖』(プレジデント社)、『MBA社長の「ロジカル・マネジメント」-私の方法』(講談社)ほか多数。
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