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原発ビジネスが頓挫して窮地に陥った日立・東芝・三菱重工その後

日立・三菱重工事業統合で遅れをとった、東芝事業再編の行方

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 これ以降、東芝は半導体再編に背を向けてしまった。半導体事業を本体から切り離す抜本策を取らず、半導体部門のリストラに切り替えた。東芝との半導体統合計画が白紙に戻ったルネサスは産業革新機構、トヨタ自動車、日産自動車、パナソニックなどが第三者割当増資を引き受けて再建に取り組むことになった。

 3.11の福島原発の大惨事は、東芝のもう1つの経営の柱である原発事業に急ブレーキをかけた。原発は1基つくればメンテナンスで喰っていける美味しいビジネスだが、原発事故という大きなリスクと背中合わせであることがわかった。

 東日本大震災前には原発建設の受注残が14基(中国4基、米国8基、日本2基)あった。目標として掲げた1兆円の売り上げを2年前倒しして、14年3月期に達成すると鼻息は荒かった。だが、原発の爆発事故がビジネスを根底から吹き飛ばした。

 原発建設は日本国内では、事実上、不可能である。欧州でも無理だろう。米国ではコストパフォーマンスからいってもシェールガス発電に切り替わるのは時間の問題だ。アジアでも反原発の世論が高まっている。

 三菱重工業と日立製作所が火力発電事業を統合するのは、原発をめぐるこうした環境の激変が背中を押したからである。

 東芝は脱原発の動きに、これまた背を向けた。米WHを買収し世界一の原発企業になったが、まだ元が取れていない。引くに引けないというお家の事情がある。

 WHに出資している米エンジニアリング会社、ショー・グループは手を引く。ショー・グループが保有する20%分の株式のすべてを来年1月4日までに東芝に売り渡す。買い取り価格は1250億円。東芝の出資比率は67%から87%に高まる。

 東芝は買い取った20%を含め36%の株式を米国の原発関連企業に売却して、最終的には過半数の51%を保有するところまでリスクを軽減したいとしている。WHの株式をはめ込む先を首尾よく見つけることができるかどうか。かなりの難問である。

 かつて、選択と集中の先頭を走っていた東芝は、いまや再編の大きなうねりから取り残されてしまった。日立と東芝の株価の格差は、2013年に入ると、もっと開くかもしれない。2012年12月中旬現在、日立の株価は460~470円台、東芝は300円以下である。

●東芝グループの今後はいかに?

 東芝グループは社会インフラ(原子力・火力・水力発電システムなど)、デジタルプロダクツ(液晶テレビなど)、電子デバイス(NAND型フラッシュメモリなど)、家庭電器(冷凍・冷蔵庫など)の4つの事業分野に分かれている。

 デジタルプロダクツ分野では既にテレビの国内生産を終了しているため、その設計開発拠点などの再編・集約が進行中だ。

BusinessJournal編集部

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