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ベネッセの危機 深刻な会員数減少止まらず赤字

文=編集部
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ベネッセの危機 深刻な会員数減少止まらず赤字の画像1ベネッセホールディングス本社(「Wikipedia」より/Lim0)
 ベネッセホールディングスが、昨年7月に発覚した個人情報漏洩事件の後遺症に悩んでいる。

 2015年4~6月期連結決算の売上高は前年同期比7.0%減の1074億円、営業利益は87.5%減の6億2300万円、最終損益は4億1900万円の赤字(前年同期は136億円の赤字)だった。漏洩事件のおわび費用を計上した前年同期に続き、最終赤字となった。

 主力の通信教育講座の会員数減少に歯止めがかからない。「進研ゼミ」「こどもちゃれんじ」の4~6月の延べ会員数は78万人で、前年同期に比べて26%減った。この結果、国内教育カンパニーの売上高は469億円と同20%減。全体の売り上げに占める割合は44%となり、15年3月期の49%から5%下がった。

 進研ゼミの会員数はピーク時には420万人を数えたが、漏洩事件の影響で15年4月には271万人と35%強減少した。通信教育講座は通信添削を中心とした家庭学習システムで、継続性が強みだ。安定収入が得られる半面、いったん顧客離れが進むと、呼び戻すのは容易ではない。進研ゼミは、会員数を増やす即効薬がないのが実情だ。

新卒支援サービスを開始

 危機を乗り切る打開策としてベネッセが目を向けたのが、大人向けサービスだ。進研ゼミとこどもちゃれんじは幼児から大学受験生までを対象にした通信教育講座で、これまで大学生や社会人向けは手薄だった。

 そこで、10月から新卒学生向けの就職支援サービスを始める。求人サービス大手のインテリジェンスと共同で4月に設立したベネッセi-キャリアが担当する。出資比率はベネッセが51%、インテリジェンスが49%だ。転職支援サービス「DODA(デューダ)」を展開するインテリジェンスは13年4月、派遣事業を主力とする国内2位のテンプホールディングスに買収され、その傘下に入った。

 新卒支援サービスの名称は「DODA新卒エージェント」。東京と大阪にカウンセリングルームを設け、インテリジェンスで人材紹介の業務に当たってきた30人のコンサルタントが学生と1時間程度面談。志望や適性を把握し、企業が求める人物像と突き合わせて紹介する。

 サービス開始時点で2000社、学生2万人の登録を見込む。内定時に企業から1人80万円前後の報酬を受け取る。内定を辞退した場合には全額返金する。20年に75億円の売上高を目指すとしている。

 ベネッセはDM(ダイレクトメール)による販促への依存体質を改め、対面での顧客との接点の場を増やすために「エリアベネッセ」などの拠点の拡大を急いでいる。だが、ベネッセを去った顧客を取り戻す決定打に欠ける。

BusinessJournal編集部

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