結婚し、子どもができることで、広い家に引っ越すなどライフスタイルを変える人は多いだろう。そこで、クルマ選びの際に自ずと選択肢に入ってくるのが“ファミリーカー”だ。
中古車情報メディア「カーセンサー」(企画制作:リクルートマーケティングパートナーズ)では、ファミリーカーを選ぶときのポイントについて、「ちょい○○感」をキーワードに挙げている。そして、優れたファミリーカーは家族間のコミュニケーションツールとしても機能するという。
ファミリーカー選びのポイントについて、カーセンサー編集長の西村泰宏氏に聞いた。
良いファミリーカーの条件とは
――子育て世代にとってはファミリーカーが大きな選択肢になりますが、選び方にポイントはありますか。
西村泰宏氏(以下、西村) ファミリーカーといえば、「スライドドア」「ミニバン」「ハイト系の軽自動車」などといったイメージが強いでしょう。しかし、大事なのは乗るファミリーが楽しめるかどうかであり、その条件さえ満たせば、どんなクルマでも良いファミリーカーになると思います。
親としては子どものことを考えてクルマ選びをしがちですが、大事なのは、お父さんやお母さんが乗って楽しめるクルマであることです。親が楽しそうにしていれば、子どもも自然と楽しく過ごすことができます。ライフスタイル全般にいえることですが、至れり尽くせりのホテルに泊まるよりも、キャンプで土いじりをしたほうが子どもにとっては新鮮な体験で楽しいということもあります。そうした視点でクルマ選びをすべきでしょう。
たとえば、「自分たちは楽しくないけれど、子どものためにこのクルマを選んだ」というのでは本末転倒です。親が「このクルマでみんなでキャンプに行こう」などと言えるような、ファミリーが能動的になれるクルマであることが大切です。
――4月20日発売号の誌面では、ファミリーカーについて「ちょい○○感」をキーワードにしていますね。
西村 それぞれの「ちょい○○感」を楽しむ3組のファミリーとクルマを紹介しました。具体的な車種は、ルノー「カングー」(初代/中古車価格帯30万~160万円)、三菱「デリカスターワゴン」(初代/同30万~120万円)、トヨタ「FJクルーザー」(初代/同180万~430万円)です。
クルマ選びで利便性を追い求めていくと、必然的に人と物をたくさん乗せられるミニバンを選択することになると思います。しかし、利便性だけを求めて選んでしまうと、次々と新しいクルマが発売され、機能がアップデートされていきますから、すぐに自分のクルマの満足度や序列が落ちていってしまいます。
そうした刹那的なヒエラルキーを気にするのではなく、自分がワクワクドキドキするようなクルマを買うほうが、子どもにとっても誇らしく、外出する機会も増えるでしょう。そうした観点から、誌面ではこの3車種と3組のファミリーを紹介しました。