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街の顔が次々と消えていく
郊外の大型商業施設やネット通販との競合に加え、人口減と高齢化が地方百貨店の閉店に共通する要因になっている。
今年に入り、すでに棒二森屋(ぼうにもりや、北海道函館市)、中三(なかさん)青森店(青森市)などが閉店。3月末にJ.フロントリテイリング傘下の大丸山科店(京都府京都市)、6月にななっく(岩手県盛岡市)、8月には大沼米沢店(山形県米沢市)、大和高岡店(富山県高岡市)、ヤナゲン大垣本店(岐阜県大垣市)の3店。9月にヤナゲンFAL店(岐阜県大垣市)、三越伊勢丹ホールディングス(HD)の伊勢丹相模原店(神奈川県相模原市)と伊勢丹府中店(東京都府中市)、山交百貨店(山梨県甲府市)の4店が営業を終えた。
新潟三越(新潟市)は20年3月に店を閉じる。売上高はピークの1997年3月期の250億円から18年3月期は129億円に半減していた。三越伊勢丹HDの連結子会社、新潟三越伊勢丹が、新潟三越と新潟伊勢丹を経営してきた。新潟三越伊勢丹の19年3月期の売上高は前期比3億円減の440億円。不振の新潟三越は閉鎖するが、新潟伊勢丹は営業を続ける予定だ。
日本百貨店協会が売上高を集計する全国の店舗数は08年末段階で280店あったが、19年7月末で215店と2割以上減った。8月以降、8店が撤退する。かつて9兆円を超えていた百貨店の年間売上高は、16年以降は6兆円を下回る。閉店が相次ぎ、5兆円を割り込むのは時間の問題とされる。百貨店がなくなる県庁所在地も出てくるだろう。
地方百貨店は、その地域のシンボル的存在だっただけに、百貨店が消えた後の街づくりが地域にとって、大きく重い課題となる。
(文=編集部)
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