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ちぐはぐな事故検証、刑事事件に発展する可能性も
これにより、病院側、事故調、改革委と3つの機関が事故検証にあたることになる。一連の問題をめぐり、病院側にはさまざまな不手際があるが、ここでは以下の2つの問題を挙げたい。
(1)それぞれの機関が独自に報告書をつくるため、3種類の報告書ができてしまう
(2)そもそも、報告書の内容は妥当なのか
(1)について、病院側は最初に提出した報告書を撤回していない上、新設された事故調も調査報告書を作成する。さらに、事故調と改革委がバラバラに活動するため、改革委の報告書が出されたことに、事故調の委員長を務める上田裕一氏(奈良県総合医療センター総長)が「事故調査委員会の事実確認の下に、再発防止策が提示されるべき」と苦言を呈する始末だ。
さらに問題なのが、(2)である。最初に病院側が出した報告書で、安易に個人の過失認定を行い、削除に追い込まれたにもかかわらず、再び改革委が「適格性を欠いた医師が原因」と一方的に指摘している。改革委は、執刀医へのヒアリングを行っておらず、医師は反論の機会もないまま、欠席裁判の様相を呈しているともいえる。
当面は、事故調の報告書を待つことになるが、その後は病院側と遺族の話し合いになる。すでに「群馬大学病院肝臓手術被害対策弁護団」が結成されており、遺族の納得を得られない場合、法廷闘争になることは必至だ。さらに、刑事事件に発展する可能性もある。医療界からは、当該執刀医の判断や技量への批判も多いが、それ以上に群大および病院への不信が高まっている。
(文=編集部)
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