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舘内端「クルマの危機と未来」

ガソリン車が絶滅の危機…世界の石油の半分を消費、地球温暖化に「多大な貢献」

文=舘内端/自動車評論家、日本EVクラブ代表
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 たとえばロータリー・エンジンの復活を宣言したマツダは、バイオ燃料の研究に熱心である。バイオ燃料は生物由来の燃料であり、生物は空気中の二酸化炭素を体内に取り込んでいるので、燃やしても二酸化炭素は増えない。カーボン・ニュートラルである。ロータリー・エンジンは、バイオ燃料で復活させるに違いない。

 ところで、バイオ燃料の取材で宮古島を訪れた時のことだった。サトウキビからアルコールを抽出する工場を見学させてもらったのだが、宮古島のサトウキビを全部バイオ燃料にしても、走らせられる自動車は島にある自動車だけだと聞いて、考えさせられた。

 バイオ燃料は食料とのバッティングを避けなければならないのだが、サトウキビに関してはそればかりかアルコール抽出に伴う廃液の処理が大きな問題である。自動車の脱石油化は一筋縄ではいきそうにない。

 注目の燃料電池車も電気自動車も、火力発電所の電力を使って水素を製造したり充電する限り、実質的には二酸化炭素を排出する。発電もカーボンフリーなエネルギーでなければならない。
(文=舘内端/自動車評論家、日本EVクラブ代表)

舘内端/自動車評論家

舘内端/自動車評論家

1947年、群馬県に生まれ、日本大学理工学部卒業。東大宇宙航空研究所勤務の後、レーシングカーの設計に携わる。
現在は、テクノロジーと文化の両面から車を論じることができる自動車評論家として活躍。「ビジネスジャーナル(web)」等、連載多数。
94年に市民団体の日本EVクラブを設立。エコカーの普及を図る。その活動に対して、98年に環境大臣から表彰を受ける。
2009年にミラEV(日本EVクラブ製作)で東京〜大阪555.6kmを途中無充電で走行。電気自動車1充電航続距離世界最長記録を達成した(ギネス世界記録認定)。
10年5月、ミラEVにて1充電航続距離1003.184kmを走行(テストコース)、世界記録を更新した(ギネス世界記録認定)。
EVに25年関わった経験を持つ唯一人の自動車評論家。著書は、「トヨタの危機」宝島社、「すべての自動車人へ」双葉社、「800馬力のエコロジー」ソニー・マガジンズ など。
23年度から山形の「電動モビリティシステム専門職大学」(新設予定)の准教授として就任予定。
日本EVクラブ

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