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当時は少子高齢化などの問題が表面化する前で、また理系学部では研究施設を充実させるため、より広い敷地が必要だった。国と大学の思惑をはじめ、さまざまな要因が重なったことで、大学は郊外に移った。そして、都心に回帰する事態となったのである。
しかし、新氏は「大学が生き残りをかけて都心部に移転することが正解かどうかはまだわからず、再考の余地もある」という。
「各大学が郊外へ移転したのは、大学生の増加に対応するといった経営の観点に加えて、広々と充実した環境で学生たちに学んでほしいという思いがあったはずです。アメリカの大学は、郊外の緑豊かな場所にキャンパスを構えることが多く、日本もそれにならった部分があったのです。こうした、大学が郊外に移転した時の理念は捨て去ってよいのでしょうか。
そして、郊外の衰退が起きているからといって、大学がそれに同調して都心に移転すると、郊外は一層衰退してしまいます。こうした点について、大学は説明責任を果たす義務があるでしょう」(同)
さらに、大学移転に伴う多摩地域の衰退も危ぶまれている。今後、郊外に残った大学が地域とどうかかわっていくかも課題といえよう。
(文=中村未来/清談社)
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