–600ミリリットルなどわかりやすい数字ではなく、525や555というのは何か意味があるのですか。
担当者 お茶やミネラルウォーターについては、「量が多いほうが嬉しい」というお声をいただいておりますので、感謝の意を込めて少し増量したというところです。お客様としては、もう少し増量することをお望みでしょうか。
–いや、充分です! ちなみに、大きいサイズに関しても、「い・ろ・は・す」は1000ミリリットルではなく、1020ミリリットルになっていますね。
担当者 このサイズについても、「量が少しでも多いほうが嬉しい」というお客様のご要望を反映させて1020ミリリットルとなっております。
–これは555ミリリットルの2倍の1110ミリリットルではないのですね。
担当者 実は「い・ろ・は・す」も500ミリリットルから始まりました。それが少しずつではございますが、量が多くなり555ミリリットルとなっています。
–わかりました。あと、「い・ろ・は・す」は“エコ”を掲げていますが、「い・ろ・は・す」で使われている「潰しやすいペットボトル」はほかの商品では使用できないのですか。
担当者 「い・ろ・は・す」のボトルに関しましては、植物由来の容器を使っているのですが、今のところはこの植物素材を使った容器は「い・ろ・は・す」のみです。潰しやすいという意味においては、2リットルのサイズの「綾鷹」のほか、「爽健美茶」「アクエリアス」「森の水だより」などでも潰しやすい「ペコらくボトル」というものを導入しております。
–やはり他商品には応用できないのでしょうか。
担当者 徐々に広げたいとは考えていますが、今のところは「い・ろ・は・す」のみとなっております。
–ありがとうございました。
このように、「い・ろ・は・す」が555ミリリットルという微妙に“刻んでいる”わけは、「感謝の気持ちを込めて」とのことだった。ありがたい。とてもありがたい。
ただし、他社もそれに負けじと増量しており、最近は600ミリリットルの商品などもよく見かけるようになってきた。この感謝の気持ちを込めた争いが今後も続いていくと、「次は700ミリリットルだ」「うちは800ミリリットルで勝負だ!」「それならば900ミリリットルで返り討ちだ!」などと過熱して、気がついたら1リットルが売れなくなってしまうので、争いは“よきところ”で止まるのでしょう、などということを555ミリリットルの「い・ろ・は・す」を飲みながら思うのでした。ごっくん。
(文=酒平民 林 賢一/ライター)