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「海外のファウンドリと日本企業の生産技術を比べても、今やファウンドリのほうが優位性を持つとすらいわれる。よほどの好条件でなければ、あえて日本の工場を買うメリットはない」(装置メーカー幹部)。
2月1日の報道を受けて、市場では「TSMCが工場を買収するにしても、自社の製造技術に近い富士通の工場を選ぶ可能性が高まったため、ルネサスは離脱したのでは」との観測が広まる。
気になるのはルネサスの今後。交渉にとり残されたルネサスだが、スマートフォン向けシステムLSI事業などの一部製品では、富士通、パナソニックとの合流に含みをもたす。ただ、最大の「お荷物」である鶴岡工場の処理は、宙に浮いたまま。かつて自ら話を持ちかけながら袖にした形の東芝との再交渉は「現実的ではない」(アナリスト)との見方が支配的。先行きは靄がかかったままだ。
国や民間各社など「オールジャパン」の支援を受けたルネサス。だが、不採算事業であるシステムLSI事業の方向性に道筋をつけなければ、世界最大のマイコン・メーカーとしての企業再生は見えてこない。
(文=江田晃一/経済ジャーナリスト)
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