ビジネスジャーナル > 企業ニュース > トヨタ新型プリウス、充電に14時間
NEW
舘内端「クルマの危機と未来」

トヨタ新型プリウスPHV、燃料代は月840円だが満充電に14時間

文=舘内端/自動車評論家、日本EVクラブ代表
トヨタ新型プリウスPHV、燃料代は月840円だが満充電に14時間の画像1プリウスPHV(「Wikipedia」より/Tokumeigakarinoaoshima)

 トヨタ自動車新型プリウスPHV(プラグインハイブリッド車)は、充電ができるHV(ハイブリッド車)である。ただし、充電しなくとも走れるので、充電設備がない家でも使え、充電を忘れても心配なく、電池の電気がなくなっても走れる。電欠の心配のないEV(電気自動車)ということもできる。

 充電方法は、自宅の100Vのコンセントから、工事して付けた200Vの専用コンセントから、あるいは道の駅や高速道路のサービスエリア(SA)の急速充電器からと、さまざまある。

 ただし、100Vのコンセントはどの家庭にもあるので便利だが、満充電には14時間かかる。夜8時から充電を始めて満充電にするには朝10時まで待たなければならない。通勤に使うには間に合わない人もいる。そこで2つ手がある。

 ひとつは14時間も充電しないで、たとえば家を出る6時にプラグを抜く。これだと10時間の充電なので、満充電の70%ほどの充電となる。EV(電気自動車)としての走行距離は、JC08モード燃費(国土交通省審査値)で60kmの70%に当たる42kmほどとなる。

 実際には、42kmの6割の25kmほどかもしれないが、平均的な自動車通勤者にとっては満足できる距離ではないだろうか。ただし、帰宅時もEV状態で走りたいのであれば、会社で充電しておく必要があるだろう。

200Vであれば2時間20分で満充電

 もうひとつは専用のコンセントを取り付けて、200Vで充電するという方法である。2時間20分で満充電となる。ただし、16Aと流れる電流が多いので、家電をあまり使わない深夜の充電をお薦めする。200Vで満充電しておけば、会社で充電せずとも、帰りもEV状態で走れるチャンスが広がる。

 もちろんEVも200Vで充電可能だ。そこで三菱自動車工業や日産自動車の研究所や工場では、200Vのコンセントを社員用駐車場に設けて、走行時の二酸化炭素(CO2)削減のためにEVでの通勤を奨励している。しかも、研究所や工場の玄関に近い一等地にコンセントを設けているので、大変に便利である。

急速充電であれば20分で満充電

 新型プリウスPHVは、ロングドライブや出先で急速充電もできる。50kWの充電器であれば、20分で満充電の80%、7kWhの電力量が充電可能だ。およそ48kmのEV走行が可能だ。ただし、充電が終わったら早急に充電器から離れることと、後方に充電待ちのEVが来たら充電器をゆずる配慮が必要だろう。

舘内端/自動車評論家

舘内端/自動車評論家

1947年、群馬県に生まれ、日本大学理工学部卒業。東大宇宙航空研究所勤務の後、レーシングカーの設計に携わる。
現在は、テクノロジーと文化の両面から車を論じることができる自動車評論家として活躍。「ビジネスジャーナル(web)」等、連載多数。
94年に市民団体の日本EVクラブを設立。エコカーの普及を図る。その活動に対して、98年に環境大臣から表彰を受ける。
2009年にミラEV(日本EVクラブ製作)で東京〜大阪555.6kmを途中無充電で走行。電気自動車1充電航続距離世界最長記録を達成した(ギネス世界記録認定)。
10年5月、ミラEVにて1充電航続距離1003.184kmを走行(テストコース)、世界記録を更新した(ギネス世界記録認定)。
EVに25年関わった経験を持つ唯一人の自動車評論家。著書は、「トヨタの危機」宝島社、「すべての自動車人へ」双葉社、「800馬力のエコロジー」ソニー・マガジンズ など。
23年度から山形の「電動モビリティシステム専門職大学」(新設予定)の准教授として就任予定。
日本EVクラブ

トヨタ新型プリウスPHV、燃料代は月840円だが満充電に14時間のページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!