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舘内端「クルマの危機と未来」

トヨタ新型プリウスPHV、燃料代は月840円だが満充電に14時間

文=舘内端/自動車評論家、日本EVクラブ代表

 ちなみに急速充電が可能なPHVは、三菱アウトランダーPHEVと今冬に発売になるプリウスPHVだけである。最近、怒涛の勢いで輸入されているドイツを中心にしたヨーロッパのPHVは、いずれも急速充電はできない。

1カ月の燃料代は840円

 
 満充電の8.8 kWhの充電をすると、30A契約で、月に300kWh使う家庭の場合、東京電力だと電気代はおよそ220円である。これで60km走れるから(JC08モード)、1km当たりの燃料代(=電気代)は3.36円となる。深夜電力契約をすると、約半分の1km当たり1.68円だ。

 通勤距離が往復で1日40kmの場合の燃料代は、1日67.2円である。1カ月に500kmをEV状態で走り、深夜電力契約で充電すると、1カ月の燃料代は840円となる。ガソリン代が1L当たり110円とすると、リッター20Kmの中型HVで、1km当たり5.5円。リッター40kmも走るプリウスHVの最高燃費車では、1km当たり2.75円である。

 どれを選ぶかは、ライフスタイルと充電が好きか嫌いかによるのだが、CO2排出量には違いがある。
(文=舘内端/自動車評論家、日本EVクラブ代表)

舘内端/自動車評論家

舘内端/自動車評論家

1947年、群馬県に生まれ、日本大学理工学部卒業。東大宇宙航空研究所勤務の後、レーシングカーの設計に携わる。
現在は、テクノロジーと文化の両面から車を論じることができる自動車評論家として活躍。「ビジネスジャーナル(web)」等、連載多数。
94年に市民団体の日本EVクラブを設立。エコカーの普及を図る。その活動に対して、98年に環境大臣から表彰を受ける。
2009年にミラEV(日本EVクラブ製作)で東京〜大阪555.6kmを途中無充電で走行。電気自動車1充電航続距離世界最長記録を達成した(ギネス世界記録認定)。
10年5月、ミラEVにて1充電航続距離1003.184kmを走行(テストコース)、世界記録を更新した(ギネス世界記録認定)。
EVに25年関わった経験を持つ唯一人の自動車評論家。著書は、「トヨタの危機」宝島社、「すべての自動車人へ」双葉社、「800馬力のエコロジー」ソニー・マガジンズ など。
23年度から山形の「電動モビリティシステム専門職大学」(新設予定)の准教授として就任予定。
日本EVクラブ

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