また最高益の日本電産、課長千人採用の異例宣言…ソフトバンクと真逆の「堅実」拡大経営
日本電産が10月24日に2016年度上期(4~9月期)の決算発表会を行い、永守重信社長が詳しく商品セグメントごとの業況を発表した。同社はモーターおよびそれに関連した部品、商品、ユニットを販売する総合メーカーである。永守社長はアナリストたちからの質問に答えるかたちで、「20年、年商2兆円、営業利益3000億円」への道程を縷々披瀝した。
永守社長は14年、「社長が選ぶベスト社長」(「日経ビジネス」<日経BP社/14年11月17日号)で1位に輝いた。今年のプロ野球でいえば、日本シリーズを制した北海道日本ハムファイターズの栗山英樹監督のような立場の経営者である。
14年の全日本ベスト社長が今年の中間総括でどんな答案を示してくれるのか、私も大いに注目して発表会を聞いた。ちなみに発表会の音声が同社のHP上で公開されている。
営業利益率15%を追い求めて、環境に左右されない業績
発表会で永守社長は、16年度上期は売上高こそ前年同期比4%減の5640億円となったが、営業利益は同15.8%増の690億円で着地したと発表した。
「営業利益は率として15%を目指しています。海外でM&A(合併・買収)してきた子会社群も、ここにきてそれを叩き出してきているし、重点2事業である『車載』と『家電・商業・産業用』も急速に利益率を改善している」(永守社長、以下同)
円高による107億円の減益要因を跳ね返し、過去最高の利益を叩き出したと、永守節が会場に響いた。
「為替とか、外部環境の劣化とか、そんなことに左右される経営はしていません。今年だけの、一過性(で果実を出した)のものはほとんどありません。数年前から取り組んできたことが数字に表れてきたのです」
通期でも売上高は1兆2000億円と前期比1.8%増にとどまる一方、営業利益は14.7%増の1350億円と過去最高を見込んでいる。
「海外で買収した会社は、利益率5%程度でやってきた。そんなCEO(最高経営責任者)を思い切って替えたら、新しいCEOは15%を目指してくれる。これからもそうしようと思う」
「本社でも車載事業は48歳を本部長兼本社副社長に抜擢(11月発令)した。これでよくなる」