AVが主力だけどディズニーを凌ぐ超優良&巨大複合企業、DMMの「夢の国」経営
予想のつかない事業展開
ある営業部門の社員Aさんは、クーポン事業をやるために入社したが、あえなく事業撤退。別部門でAVを販売してこいと言われたが、その後2011年の東日本大震災をきっかけとして太陽光発電事業が立ち上がったのを機に、明日から太陽光パネルの販売をしてこいと言われる――。
これだけ聞くと、いったいこの会社はなんなんだと思うが、同社こそ日本では数えるほどしか存在しない、ユニコーン企業だ。非上場で企業価値が10億ドル(約1,100億円)を超える企業はめったに姿を見せない、という意味合いを込め、米国では数年前から伝説の生き物であるユニコーン(一角獣)企業と呼ばれている。
米調査会社CBインサイツによると、昨年10月の時点でグローバルでは、タクシー配車サービスのUber(ウーバー)や、民泊サービスのAirbnb(エアビーアンドビー)、写真共有アプリのSnapchat(スナップチャット)など140社ほど存在するが、日本国内ではフリマアプリのメルカリと、この企業の2社しかいないといわれている。ちなみに、これまではLINEを含めて国内では3社といわれていた。
若干前置きが長くなってしまったが、この企業はDMMという企業だ。
DMMが公表しているデータや信用調査会社の結果によると、15年時点で売上高は約1350億円、当期純利益は100億円以上と、紛れもない優良企業だ。名前を聞いたことのある人は多いと思うが、一方でAV系の会社のために良くないイメージを持っている人が多いのではないだろうか。
もともとは1980年代後半に亀山敬司会長が石川県でレンタルビデオ店を開業したのが始まりであり、AV専門の会社であった。現在でも同事業は主力ではあるが、それ以外にもアニメ・映画・ドラマなどのコンテンツ配信や、前述した太陽光発電事業、オークション事業、公営競技事業、オンラインゲーム市場、FX、オンライン英会話、3Dプリントサービスなど、四方八方に事業展開をする、いわゆるコングロマリット企業だ。
現在DMMの採用HPを見てみると、アフリカ大陸での新規事業を推進する猛者(もさ)を募っており、さらに新たな事業を展開していこうという姿勢がうかがえる。
もちろん、これらすべての事業が成功しているわけではなく、過去にもクーポン事業やウォーターサーバーのレンタル事業などが失敗し、撤退しているものもある。