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特別企画・『賢者の選択 Leaders』アーカイブス vol.1

元LINE社長・森川亮が挑む新メディア「C Channel」の革新性はどこに? 異端の経営哲学「ビジョンは不要」とは?

『賢者の選択 Leaders』2015月10月5日放送より/構成=編集部
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松田 日本でシリコンバレー、これを私はつくりたいなと以前思っていて、一時期ビットバレーといって、渋谷にそういう雰囲気がありましたが、シリコンバレーを日本につくるにはどうしたらいいですか? そもそも必要だと思いますか?

森川 やっぱりシリコンバレーっていうのは、ある意味、新しい産業のインキュベートオフィス的な感覚かなと思ってまして。何が違うかっていうと、シリコンバレーっていうのは決してアメリカ人がやっているわけではなくて、世界中、ある意味メジャーリーグの世界というか、世界中から起業したい人が集まってきているプラットだと思うんですよね。なので、たぶんそれと同じようなものは日本にも絶対つくれるはず。つくってやっちゃえばいいのかなとは思うんですよね。ただそのためには、外国人が働きやすい環境とか、ある程度、英語でちゃんと資金調達ができたりとか、英語で申請ができたりとか、そういうのも大事でしょうし、スピード感も大事ですよね。

松田 本当にその通りですね。まさしく今の話を聞いて、やはりベンチャー向けの特区。本当にそこだけに特化したものを私はつくってもいいんだろうというふうに思っているわけですけれども、筑波なんかは環境的にいいんじゃないかなと思うんですけどね。

森川 そうですよね。

松田 ビットバレーが、実は今いち最終的にはうまくいかなかったのは、やっぱり大都市のど真ん中じゃないですか。そうすると、みんな分散しちゃうんですよね。遊びたい。遊べるところもたくさんありますし、誘惑もたくさんあります。みんなどんどん、また六本木の近くにあるしってなっちゃうんですけど、シリコンバレーってもともと何もなかったんですよ。大学はありましたね。スタンフォード大学があったんですけど、何もない本当に田舎町に起業家がどんどん集まってきて、何もやることがないので何をするかと言うと、夜はみんなで集まって食事をしたりするわけですね。そうするとまた刺激を受けて、「よし、自分も頑張るぞ」というふうになっていく。またいろんなアイデアから自分も新しいビジネスのアイデアが生まれてくる。ですから、そういう環境を思い起こしたときに、実は筑波大学ってそうじゃないですか。周りが田んぼで、何もないんです。最近ちょっとまたよくなって、また街が生まれたっていうふうに聞いてますけど、ああいうところにそういうのをつくればいいのかななんて思うんですけどね。

森川 そうですね。実際、やっぱり起業をするうえで一番大事なのは固定費を下げるということかなと思ってまして。

松田 その通りですね。

森川 家賃が安いですからね。食べ物も豊富。そういう意味だと、筑波をシリコンバレーみたいなかたちにして、コミュニティをつくってそこからスターを生み出すというのは大事かなと思いますね。

ビジネスとは「人の求めに応えるもの」

元LINE社長・森川亮が挑む新メディア「C Channel」の革新性はどこに?  異端の経営哲学「ビジョンは不要」とは?の画像6『賢者の選択 Leaders』は、BSTwellV、日経CNBC、サンテレビで放送中。放送時間は、各局のHPを参照してください。

白石 森川さんは、ビジネスとはどのようなものだとお考えになってますか?

森川 やっぱりビジネスというのは、人が求めるものに応えることが基本かなと思ってますね。お金をいただく前に価値を提供する。いかに相手に対して価値を与え続けるのか、これがまさにビジネスかなと思いますね。例えば相手が期待する以上のものを提供するとか、相手が思ってもいなかったような感動を与えるとか、そういう何か今までにない付加価値を生み出すことがビジネスの基本かなと思いますね。

松田 先ほど、森川さんは若い人が働けるプラットフォームをつくりたいというふうにお話をされてましたよね。

森川 はい。

松田 若者の理想像と言いますか、こういう若者は、例えばぜひ採用したいとか、そういうイメージってありますか?

森川 とにかく何か僕と一緒にやりたい、かつ、僕の目指す方向に共感して、もし僕が倒れてもやり続けたい、そういう人であればもうウェルカムですね。その代わり死ぬ気でやってもらいますけど(笑)。最近ちょっといろんな相談が来るんですよ、起業の。それで、例えばこういう事業を考えてますって言われて、「これちょっと難しいから、こうしたほうがいいかもしれないね」って言うと、「はい、わかりました、やります」って言って、また持ってきて、「これ、難しいんじゃない?」「はい、わかりました」ってすぐに言われたとおり変わっちゃう人がいて、それはそれでどうかなと思うんですよ。やっぱり自分なりの信念が大事かなと思いますね。

松田 その通りですね。

森川 今の人たちってすごく頭もいいし、いろんな情報も入ってくるので、何かいろんな情報に振り回されちゃう分、こじんまりとまとまってしまう傾向があると思うんですけど、結果的に成功している人ってちょっと不器用な人が多いんですよね。いろいろ言われるんだけど、何かそれに気づかないとか、自分が信念を持って走り続けているうちに自分がトップランナーになって新しいものを生み出すみたいな、ある意味、変化に対して柔軟に対応するのも大事でありながらも、何かこう、芯を持って前に進み続けることがやっぱり大事かなと思いますね。

白石 では最後にお伺いしますけども、今後の展望はどのようにお考えですか?

森川 そうですね。C Channelをつくった目的というのは、世界中につながる新しいメディアブランドをつくって、そして若い人を元気にするというものなので、まずはアジア展開、そして中国、英語、展開して、アジアでブランドをつくりたいというふうに思っています。

白石 森川さんご自身の展望というのは?

森川 僕個人は、まずはこのビジネスを成功しなきゃいけないということと、あとは、もし僕が途中で倒れたとしても次の世代に渡せる何か、バトンをひとつ残して死にたいなと思ってます。

松田 本当に今回いろんな話を聞かせていただきましたけれども、やはり森川さんの根底にある、その力っていうのは私は仲間を信じる力だなというふうに思ったんですよね。

森川 ありがとうございます。

松田 ですから、その仲間を信じる力がまた人を引き付けて、そういう素晴らしい優秀な人たちが集まってきて、そして一人ひとりにまた、さらに信用して仕事を任せる。それの繰り返しで、いい形で循環して、そしてその会社を大成功させたんだなというふうに思いました。ですから、これからもC Channel、こういう方がCEO、社長でしたら、私はまた素晴らしい人材が集まってきて、これは絶対に成功できるんだろうなというように今思いましたので、ぜひ頑張っていただければと思います。

森川 ありがとうございます。

白石 本日はありがとうございました。
(『賢者の選択 Leaders』2015月10月5日放送より/構成=編集部)

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