中古車情報メディア「カーセンサー」(企画・制作 株式会社リクルートマーケティングパートナーズ)は9月号で、100万円以下の「今買うべき軽自動車20選」を特集した。中古車市場で存在感を増す軽自動車をテーマにしたことで、読者からの反応も好評だったという。
軽自動車選びのポイントやお買い得なモデルについて、リクルート自動車総研所長兼カーセンサー編集長の西村泰宏氏に話を聞いた。
バランス型、節約型、キャラ立ち型
――お買い得な軽自動車を特集した理由について、教えてください。
西村泰宏氏(以下、西村) 今、新車でも中古車でも購入者の3人に1人が軽自動車を選んでいます。約45万台を掲載している「カーセンサーnet」でも、3分の1ほどが軽自動車です。いわば市民権を得た軽自動車は、市場の中でエースともいえる存在となりました。また、軽自動車購入者には、女性、運転初心者、1台目のクルマを購入する人、といったイメージが強い。そこで、「カーセンサー」としては、ユーザーへのヒントを提示したかったという狙いもあります。
一般的に、軽自動車の購入者は実額として安く購入することを重視していると思います。一方で、人気モデルでスライドドアなどの機構を持つモデルだと、価格が200万円を超えたり、コンパクトカーより高くなったりすることもあり得ます。
そこで、「良いものを安く買いたい」というニーズに応えるために、「100万円以下」をキーワードに「今買うべき軽自動車20選」をテーマとしました。おすすめのモデルを、大きな弱点がなく総合的な評価が高い「バランス型」、出費を抑えたい人向けの「節約型」、複数の突出した強みがある「キャラ立ち型」に分けています。
――「バランス型」には、どのようなクルマがラインナップされていますか。
西村 どんな人にも広くおすすめできるパフォーマンスの高いモデルとして、以下の6台を挙げました。
日産「デイズ(初代)」
ダイハツ「ミラ イース(現行型)」
三菱「eKワゴン(初代)/eKカスタム(初代)」
ダイハツ「ムーヴ(現行型)」
ホンダ「N-ONE(初代)」
ホンダ「N-WGN(初代)」
この中から1台を選ぶとすると、N-ONEですね。デザイン的に、これから乗っても古さを感じさせない点に優位性があります。このモデルは「N360」をイメージしてつくられているので、デザインが古くなりにくいのです。価格的には、約76万円で流通しています。
――次に、「節約型」はいかがでしょうか。
西村 総額70万円以下のモデルが多く流通しており、最低限の装備や安全性能を備えています。おすすめのモデルは以下の4台です。
スズキ「アルト(現行型)」
ダイハツ「ミラ イース(初代)」
スズキ「ワゴンR(5代目)」
日産「モコ(3代目)」
同様に1台を選ぶとすると、アルトですね。安くて流通量が多いため、選択肢が豊富というのが魅力です。人気のモデルでありながら、価格は安定しています。また、走りや性能のバランスがとてもよく、多くのユーザーが乗って満足できるモデルです。価格的には約69万円で流通しており、70万円以下で購入できます。
――最後に、「キャラ立ち型」のモデルを教えてください。
西村 総額100万円程度で、安全装備や内装デザインに定評のあるモデルです。
ホンダ「N-BOXスラッシュ(初代)」
ダイハツ「キャスト(現行型)」
ダイハツ「ミラ トコット(現行型)」
スズキ「ハスラー(初代)」
スズキ「ラパン(現行型)」
スズキ「ワゴンR(現行型)」
1台選ぶとすれば、ミラ トコットです。飽きのこない、水平基調の角を丸めたデザインが魅力です。ボディが直線的なので距離感が取りやすく、運転しやすい。そのため、運転が苦手という人に、特におすすめしたいモデルです。新車での流通量が少なかったため、中古車市場に流れてくる台数も多くはありません。現時点での平均価格は約102万円です。
(構成=長井雄一朗/ライター)