消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
続いて、千葉県の演奏者からは以下のような声が上がった。
「可能性としては、歯が折れたり転んでけがをしたり、楽器が破損することもあり得ます。偶然であれば仕方ないですが、楽器をやっている人からすれば、あのCMを見て『良し』とする人は誰もいないと思います。以前、私どもの楽団に、映画の撮影で『海を背景にトランペットを吹いている映像がほしいので、協力してほしい』という要請がありましたが、昔ならいざ知らず、『そんな塩っ気のあるところでトランペットは吹けない』と丁重にお断りしたことがありました。結局、CMやテレビでのトランペットを吹くシーンには、演出ありきというケースが多いのかもしれません。
日本は吹奏楽が盛んで吹奏楽人口が多いことから、このCMも注目されたのだと思います。また、制作陣に吹奏楽経験者が不在だったことが悲劇を生んだのかな、とも思います。もしいたら、その人が必ずストップをかけていたことでしょう」
今後、アサヒグループホールディングスは広告制作のチェック体制をさらに強化し、複数の関連部門からなる社内審査機関による審査を、環境保全、安全面、法令・コンプライアンス遵守などの観点から、引き続き実施していく方針だという。しかし、演出ありきのCM制作が続けば、他社も含めてこうした事態は繰り返されるだろう。
(文=長井雄一朗/ライター)
Business news pick up
RANKING
23:30更新
2024.11.21 18:05
2024.11.21 18:00
2024.11.20 22:21
2024.11.20 20:41