豪華客船クルーズがブーム…1泊1万円で食事も多彩なイベントも無料、毎日寄港地でツアー
「クルーズ・ブームが来た」といわれて、テレビなどではヨーロッパやカリブ海での豪華なクルージングが紹介されることが目につくようになった。実際、2016年のクルーズ乗客数は国内が9.4万人と対前年比7.6%増となったのに対し、外航は15.4万人(対前年比15.5%増)と、わざわざ海外に出かけて船に乗り込むかたちのクルーズが大きく伸張した(「2016年の我が国のクルーズ等の動向について」海事局外航課、港湾局産業港湾課より)。
そこで今回、急加速し始めた日本のクルーズビジネスを牽引するオンラインクルーズ・エージェントの雄、ベストワンクルーズを運営するベストワンドットコムの澤田秀太社長に展望を聞いた。
今年は20%伸びて18万人台にも
――先日、私は初めてクルーズを体験しました。ベネチアから出航して7泊8日でエーゲ海、アドリア海を回るというクルーズで、旅客数3,000人、スタッフの乗り込みが1,000人以上、船は9万トンで16階建てと、海の上を走るビルという威容で度肝を抜かれました。
澤田秀太社長(以下、澤田) 楽しまれましたか。
――部屋は移動しなくていいし、食事は食べ放題、船内のイベントは目白押し、毎日朝になると次の寄港地に着いていてバスなどのオプション・ツアーがいくつもある、ということでしたね。海外にはたぶん70回近く出かけているのですが、指を折る楽しみでした。
澤田 一度クルーズを体験すると、リピーターになる方が圧倒的に多いですね。
――そこで、澤田社長からぜひお話をうかがいたいと思います。外航クルーズの旅客数はだいぶ伸びていますね。
澤田 14年、15年と足踏みしていたのですが、16年は15%増えて15万人を達成しました。今年はさらに好調で、うまくすれば18万人に達するのではないかと見ています。当社のお客様でいえば、20歳から65歳までで全体の80%を占めているのですが、増えている層もシニアだけでなく、すべての年齢層で伸びています。20年には日本から外国のクルーズに出かける方の数が、50万人を達成しないかと期待しています。
――好調の理由をどうご覧になっていますか。
澤田 3つあると思います。ひとつは、価格が下がってきていること。船体が10万トンを超えるなど大型化して多客航海をするようになって、コストの効率化が進んできました。その結果、1泊当たりの価格が1万円前後となってきました。3食付いているので、これはホテルよりも安くて楽しいイベント付きの旅程となります。