豪華客船クルーズがブーム…1泊1万円で食事も多彩なイベントも無料、毎日寄港地でツアー
――クルーズを提供している船会社としては、主なところにはどんな会社があるのですか。
澤田 カーニバル・コーポレーションというアメリカの会社が大きいですね。同社は近年、同業大手のプリンセス・クルーズを買収して年商を1兆円としました。主な船社としては、世界に50社くらいでしょうか。
――大きな船というと、どのくらいのものが就航しているのでしょう。
澤田 カリブ海に就航しているロイヤル・カリビアン社が22万トン、お客様が8,000人搭乗という船を3隻就航させています。
――スタッフ、乗員を含めると、1万人もの人たちが移動するわけですね。「セイルするホテル」どころかもはや「セイルする町」ではないですか。私の先日のクルーズ中に、あるオフィサー(船の上級船員)と話したのですが、「クルーズを本当に楽しむなら、もう少し小ぶりの船のほうがいいかもしれない。小さな船だと、参加者とクルーたちが最後にはファミリーのようになるんだ。キャプテンと順番にディナーを共にしたりすることもある」と言っていました。
澤田 ヨーロッパでいえば、リバークルーズなどがそれに当たると思います。ライン川やドナウ川を50から100名程度のお客様で行き来する、というクルーズです。寄港地ではそれぞれの町のお城や地域のお祭りなどのツアー(エクスカーション:遠足)があります。
――エクスカーションはオプション、つまり客が選べる、そして有料ですね。私たちも寄港地に着くたびに何かのエクスカーションに参加しました。
澤田 そして結局、お金を使われるわけですね。
――クルーズの中での物価は高いのか、安いのか。食事やイベントは無料のものが多いのですが、スパやらワインやらお店やらは結構な価格ですね。プロのカメラマンが多数乗り込んでやたら写真を撮ってくれて、きれいに修整した引き伸ばしをその日のうちに展示してくれるのですが、買い取るとなると1枚20ユーロ(約2,500円)取られました。何枚も買ってしまいました(笑)。
澤田:実はクルーズの参加費以上を乗船中に消費なさる方が多いですね。
――立派なカジノまでありました。
澤田 公海上を行く場合は、ギャンブルは規制されません。
次回は、急成長するクルーズビジネス業界での、ベストワンクルーズ社の立ち位置、大きな可能性を持つ同社の成長戦略をうかがう。
(文=山田修/ビジネス評論家、経営コンサルタント)
※本連載記事が『残念な経営者 誇れる経営者』(ぱる出版/山田修)として発売中です。
【山田修と対談する経営者の方を募集します】
本連載記事で山田修と対談して、業容や戦略、事業拡大の志を披露してくださる経営者の方を募集します。
・急成長している
・ユニークなビジネス・モデルである
・大きな志を抱いている
・創業時などでの困難を乗り越えて発展フェーズにある
などに該当する企業の経営者の方が対象です。
ご希望の向きは山田修まで直接ご連絡ください。
選考させてもらいますのでご了承ください。