日本生産性本部・サービス産業生産性協議会が実施している「JCSI(日本版顧客満足度指数)」において近年、スターバックス コーヒー(スタバ)がドトールコーヒーに「顧客満足」の指標で劣っていることが話題になっている。
2014年度に1位だったスタバの顧客満足が15年度は3位に転落し、ドトールが1位の座を奪った。16年度はドトールが1位を維持し、スタバは4位に後退。17年度では、ドトールが1位をキープし、スタバは上位4社から外れた。
スタバの転落が話題になっている。そしてドトールが1位をキープし続けている。それにしても、なぜドトールは高い顧客満足を実現できているのだろうか。
近年、喫茶店やカフェなどコーヒーを提供する店の競争が激化している。1996年にスタバが日本に上陸し、「シアトル系コーヒー」がブームとなった。その後、米国で90年代後半から始まった「サードウェーブコーヒー」の波が日本でも席巻した。サードウェーブコーヒーを代表するブルーボトルコーヒーが15年に再上陸するなど、近年はコーヒーブームが再燃している。
喫茶店・カフェ業界では、大手による寡占が進んでいる。大手コーヒーチェーンの国内店舗数はスタバが1286店(6月末時点)、ドトールが1124店(7月末時点)、コメダ珈琲店
が764店(5月末時点)、タリーズコーヒーが671店(4月末時点)という状態だ。店舗数ではドトールは2番手につけているものの、予断を許さない状況にある。
一方、ファミリーレストランやファストフード店でも低価格のコーヒーを提供するようになった。そして近年はコンビニコーヒーが猛威を振るっている。業界の垣根を越えた競争が起こり、ドトールを取り巻く環境は厳しくなっている。そんななかでもドトールは人気を維持し、高い顧客満足をキープしているというのだから驚きだ。