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山口健太「IT業界最前線」

格安スマホ、660社超が乱立で淘汰必至か…儲けに乏しく認知度&イメージ競争突入へ

文=山口健太/ITジャーナリスト

他の事業とのシナジーは必須に

 FREETELが大きく飛躍したきっかけは、ヨドバシカメラと組んだことも大きい。ヨドバシカメラはプラスワン・マーケティングに22.3%を出資し、創業者の増田薫社長に次ぐ大株主だったことが明らかになった。

格安スマホ、660社超が乱立で淘汰必至か…儲けに乏しく認知度&イメージ競争突入への画像315年10月にはヨドバシAkibaに売り場をオープン。ヨドバシ全店での販売が始まった。

 だが、両社の関係は昨日今日に始まったものではない。かつてデルの営業職だった増田氏はヨドバシカメラ新宿西口本店の売り場に足繁く通い、当時の店長だった日野文彦氏の目に留まったとのエピソードがある。

格安スマホ、660社超が乱立で淘汰必至か…儲けに乏しく認知度&イメージ競争突入への画像415年6月のFREETELの発表会には、ヨドバシカメラ常務取締役(当時)の日野文彦氏の姿も。

 数ある格安SIM事業者の中でヨドバシがFREETELを選んだ背景には、こうした長年の信頼関係があったともいえる。だが楽天による買収を境に、そのヨドバシからもFREETELの売り場は大部分が撤去されてしまった。

 今後、プラスワン・マーケティングはFREETELブランドの端末事業に注力するという。増田社長の人脈を中心に、同社は海外展開に意外な強みがある。これまでカンボジアやメキシコ、ベトナムに展開してきたほか、8月にはナイジェリアへの進出も発表した。

格安スマホ、660社超が乱立で淘汰必至か…儲けに乏しく認知度&イメージ競争突入への画像5海外の携帯市場に強い人材が揃っているという強みがある。

 増田社長が掲げてきた「2025年に世界一を目指す」との目標はさすがに厳しい状況だが、儲からない格安SIM事業を手放し、経営を立て直すことで事業継続の可能性は見えてきた。

 一方、FREETELのユーザーを獲得した楽天モバイルの狙いは、スマホを起点として楽天市場での買い物や楽天が提供する各種サービスの利用、ポイントプログラムなど「楽天経済圏」の拡大にある。格安SIM単体では儲からない以上、他の事業とのシナジーを打ち出していけるかどうかが鍵になりそうだ。
(文=山口健太/ITジャーナリスト)

山口健太/ITジャーナリスト

山口健太/ITジャーナリスト

1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。
山口健太

Twitter:@yamaguc_k

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