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山本康博「なぜあの商品はヒットしたのか/しないのか」

ドコモ新料金、本当に長期ユーザ優遇か…すでに超大幅割引プラン存在、人気機種除外

文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役
ドコモ新料金、本当に長期ユーザ優遇か…すでに超大幅割引プラン存在、人気機種除外の画像1ドコモショップ(撮影=編集部)

 NTTドコモは5月24日、新料金プラン「docomo with」を発表した。特定の端末を買うと、その後の料金をずっと1500円割り引くというものだ。

 長期ユーザに対する優遇策は大変優れたマーケティング戦略だが、なぜ売れているソニー「Xperia」や米アップル「iPhone」などは対象外なのか。目的が長期ユーザの離脱防止なら、限定の2機種だけではなく、顧客に人気の機種を含めるか、全機種対象とするべきだ。対象の2機種である富士通「arrows Be F-05J」(2万円台半ば目安)とサムスン「Galaxy Feel SC-04J」(3万円台半ば目安)だけとしたのは、この機種が売れない、もしくは売りたいと思っているのか、もしくは両社からキックバックを受けているのか。

 そもそも、ドコモは長期ユーザ離脱阻止戦略を大胆に打ち出していかなければ、格安スマートフォン(スマホ)に顧客が奪われてしまう。新料金プランはそれを防止するためのものであり、本来の長期ユーザ優遇ではない。つまり、そうしたユーザを勘違いさせるものだ。また、国内メーカーの機種を対象とするならまだしも、海外製を優遇するのは、批判を浴びる可能性が高い。

 ちなみに、ドコモの長期顧客優遇策としては、すでに「ずっとドコモ割」というプランがあり、4年以上のユーザは、各種プランによるが100円~2500円まで毎月割り引きが受けられる。筆者も10年以上のドコモユーザーだが、長期ユーザ優遇の「優しい戦略」を真面目に考えてもらいたいものだ。
(文=山本康博/ビジネス・バリュー・クリエイションズ代表取締役)

山本康博

山本康博

ビジネス・バリュー・クリエイションズ
代表取締役、損保ジャパン顧問。ブランドマーケッター。日本コカ・コーラ、日本たばこ産業、伊藤園でマーケティング、新商品企画・開発に携わり、独立後に同社を設立。これまで携わった開発商品は120アイテム、テレビCMは52本制作。1年以上継続した商品は計算すると3割以上、メーカー側でマーケティング実績35年。現在では新商品開発サポートのほか、業界紙をはじめとしたメディア出演や寄稿、企業研修、大学等でのセミナー・講義なども多数実施。たたき上げ新商品・新サービス企画立ち上げスペシャリスト。潜在ニーズ研究家。著書に『ヒットの正体』(日本実業出版社)、『現代 宣伝・広告の実務』(宣伝会議)、2016年スタンフォード大学 David Bradford 名誉教授、ボストンカレッジ Allan Cohen 教授の推薦書として、世界に向けて英著、 “Stick Out”a ninja in Japanese brand marketingを全世界同時発売開始。『Stick Out~a ninja marketer』(BVC)、現在ブレイク中で話題のAmazon書籍総合1位も獲得したベストセラー『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(致知出版)の一人として8月1日執筆など。

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