近年、我々の日常に欠かせないアイテムのひとつとなっているスマートフォン(スマホ)や従来型携帯電話(ガラケー)。「三大キャリア」とも呼ばれる電気通信事業者大手のau(KDDIグループ)、NTTドコモ、ソフトバンクなどの競争により、選択肢も多様化。また、精密機器であるため故障や修理の対象にもなりやすく、さまざまな場面でキャリアの窓口となる「携帯ショップ」が頼りとなる。しかし、そうしたショップの店員に対して不満を抱くユーザーは少なくない。
東京都内のauショップを利用した40代女性は、ある女性店員の態度に「ガッカリした」と話す。
「客が理解できるように、説明してくれないのです。もちろん、『すみません、難しくてよくわからないのですが、今のはどういう意味ですか?』と丁寧に質問したが、それに対しても『ですからぁ!』と語気を強め、明らかにイラついているのが見て取れました。しかも、黙って話を聞いていたら、私が怒っていると思ったのか気まずそうな表情。最後はこちらが『ありがとうございました』と言って席を立ったのに、その店員は何も言いませんでした」
さらに、同じ店舗を利用したという別の客からも、次のような声が聞かれた。
「外出先で必要だったためガラケーの充電器を買いに行ったのですが、いざ使用時に開けてみたらスマホ用でした。探すのに時間が掛かったわりに間違えて渡すなんて……。その日は充電できずに困りました」(20代女性)
「接客業にしては言葉遣いが荒い」(20代男性)
上記ではauを例に挙げたが、インターネット上では他のキャリアに対しても、「ドコモの店員、全然やる気ない」「ソフバンはどの店舗も態度悪すぎて、もう解約したい」といったネガティブな書き込みが少なくない。
辞めるバイト店員も多数
そこで、実際に派遣社員として携帯ショップで勤務経験のある30代女性・Aさんに、ショップ店員の実態を聞いてみた。
「携帯ショップはアルバイトでも時給が高く、それ目当てで飛びつく人も多いですが、仕事としては覚えることが多くて大変です。その辺を理解せずに店員になった人は、『自分はバイトだし』くらいの感覚しかないのかもしれません」
都内のバイト情報サイトなどを確認すると、確かに携帯ショップは1500円~1800円前後の高時給が並んでいる。
その一方で、Aさんは次のようにも語る。
「修理に回すなど、ショップでは対応しきれない問い合わせも多い。もちろん窓口となるショップでも最善は尽くしますが、理不尽なクレームも少なくないので、嫌になって辞めてしまうバイトもたくさんいました」
給料に釣られるのは悪いことではないし、傲慢な客の対応をしなければならないのは同情する。しかし、店に立っている間は、バイトといえども販売員としての自覚を持ってほしいものだ。
内閣府が定期的に調査結果を発表している「消費動向調査」によれば、2016年度3月時点でスマホの普及率は67.4%(世帯ベース)、ガラケーなどスマホ以外は64.3%の普及率となっている(2人以上の世帯対象、4038世帯から回答を得ている)。また、15年度の携帯電話の普及率は95.3%とのこと。今後さらに生活に浸透していくことが予想されるが、キャリア同士の品質や価格競争と同時に、ショップの対応も見直してもらいたいものだ。
(文=編集部)