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ここが肝だよ! テレビCM戦略

スペースワールド、「閉園」CMにネット大爆笑…批判スレスレで駆け込み客急増か

文=鷹野義昭/CM戦略アナリスト・マーケティングディレクター

「“くれ”しかない!」 “呉”だからこそできる唯一無二のPR動画

「なんだこりゃ?」と思わせるキャラクター、「なんでそれ?」と思わせる楽曲。よくぞ大胆にも、TRFの名曲中の名曲『CRAZY GONNA CRAZY』を替え歌にしてくれました。「呉市をPRするならこの歌しかない、ずっとそう思っていた」と語る呉市が、満を持して制作したPR動画が、この「呉ー市ー GONNA 呉ー市ー」なのです。

 画面上に終始登場する一目瞭然「まんまやろ!」と、ツッコミたくなる主演オリジナルキャラクーの名は「呉氏」。曲名や歌詞とともに、全身に大きく市名を配した姿は、「呉市」の名前を訴求する上でも効果的な存在です。そして、そのまさかの巨体がキレキレの本格ダンスを踊り続け、強烈なインパクトを与えます。替え歌の秀逸さはもちろん、本格的なミュージックビデオさながらの高い映像クオリティにも目を見張ります。

 公開から多くの全国ネットのテレビ番組に取り上げられたこともあり、「YouTube」上での再生回数は約60万回。「名前は知っているけれど、ちょっと印象が薄れていたまち」「観光資源まで十分に知れ渡っていないまち」、そんな呉市に大きく貢献した「元気の出るPR動画」といえるでしょう。

 似たような自治体PR動画が溢れている昨今ですが、この動画を見終わって「どこのまちの動画だったかな?」と言う人はいないでしょう。呉市でしか成立しない、まさに“唯一無二”のクリエイティブなのです。

 自衛隊までもが撮影協力し、呉市が総出で取り組んだPR動画に、強い熱意と確かな本気度が感じられ、真剣な郷土愛がひしひしと伝わります。1990年代の大ヒットソング『CRAZY GONNA CRAZY』世代の筆者にとっては、クスッと笑いながらも「心に染み渡る替え歌」に涙腺さえも刺激されてしまいます。

<特別賞>

スペースワールド、「閉園」CMにネット大爆笑…批判スレスレで駆け込み客急増かの画像6ぐろ~かるPR動画・コスパ賞【小諸市(長野県)/「小諸がアツ・イー!」シリーズ第1弾~第3弾】 

「小諸がアツ・イー」篇
「ふるさと市民」篇
「狙われた給食」篇

授賞理由等の詳細はこちらから

(文=鷹野義昭/CM戦略アナリスト・マーケティングディレクター)

鷹野義昭

鷹野義昭

株式会社テムズ代表取締役<CM戦略アナリスト・マーケティングディレクター>
1963年、長野県生まれ。大手広告代理店を経て、90年より現職。テレビCMを中心としたマーケティング戦略立案に携わり25年以上。1000素材を超すテレビCMの戦略策定・分析・広告効果測定の実績を持つ。
主な著書に『CM好感度NO.1だけどモノが売れない謎 ‐明日からテレビCMがもっと面白くなるマーケティング入門‐』(ビジネス社)などがある。近年では、秀逸なローカルCM・地方PR」動画を集めたサイト「ぐろ~かるCM研究所」の所長を務める。

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