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万年最下位から空前のDeNAベイスターズブームへ…ハマスタ大改修、誰でも感動体験 

取材・文=武松佑季

 さしてプロ野球に関心がなければ、地上波のプロ野球中継の激減を見て「プロ野球は昔に比べて人気がなくなった」と感じてしまってもおかしくない。

 だが現実は、そうとも限らない。2017年シーズンの観客動員数は全試合858試合で、プロ野球史上最多を更新する2513万9463人、1試合平均2万9300人という数字を記録。実数発表が開始された05年の1992万4613人(1試合平均2万3551人)と比較すると、なんと約26%も動員が伸びているのだ。

 かつて中高年が占めていた頃と打って変わって、最近の球場は家族連れや若い女性、さらに外国人も非常に多い。“カープ女子”という言葉も、そのムーブメントの一端を表した現象だろう。野球ファンには周知のことと思うが、今、球場観戦ブームが到来しているのだ。

 しかしこの盛況ぶり、野球熱が高まっただけが理由ではなく、球団や球場の努力があってのこと。そこで、そんな各球団の球団努力にスポットを当てていきたい。

72万個の球団キャップを配布

 前回の東京ヤクルトスワローズに続き今回取り上げるのは、レギュラーシーズン3位から破竹の勢いで19年ぶりに日本シリーズへと進出し、ある意味で17年シーズンの主役となった横浜DeNAベイスターズだ。

 10年前まで最下位が定位置だったベイスターズは、チーム力アップだけでなく、観客動員数の異例の伸びも注目されている。17年の本拠地・横浜スタジアムでの観客動員数は197万9446人(1試合平均2万7880人)となっており、動員率は驚異の96.2%。共に球団史上最多を更新した。

 さらに、主催71試合における大入り満員試合は63試合、チケットを完売したのは38試合、ファンクラブの会員数はDeNAが球団を持つ前の6427人(11年)と比較すると17年は8万7503人と13.6倍にも膨れ上がった。

 なぜ横浜DeNAベイスターズはここまでの人気球団となることができたのか。株式会社横浜DeNAベイスターズ広報部の河村康博氏は、フランチャイズ意識の賜物だと話す。

「誰に球場へ足を運んでもらえばいいかを考えたとき、それはもちろんベイスターズファンなのですが、そのなかには主催試合には毎回来場するファンの方もいれば、年に1回しか観戦しないファンの方もいたりと、いろいろなレベル感があります。私たちは試合にはあまり行かないけどベイスターズが好き、という方も含めたいろんな層に来てほしい。そのために横浜を含む神奈川県の人にしっかりアプローチすることを主眼に置いています」

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