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駐車場「タイムズ」、超最先端IT企業の秘密…膨大な走行データ収集してカネに?

文=真壁昭夫/法政大学大学院教授

 7月3日、パーク24タイムズカープラスの会員数が100万人を突破したと発表した。オリックスのカーシェアビジネスがパーク24よりも先に開始されたことを考えると、駐車場への新しい機能の付与とテクノロジーの活用が、パーク24に競争上の優位性をもたらしたと考えることができる。

ITを用いたイノベーションへの期待

 
 パーク24は自動車の利用に関するデータを活用して、新しい取り組みを進めることができるだろう。そのひとつに、自動運転技術の開発がある。自動車を運転する際、私たちは実に多くの情報を瞬時に処理している。交通量、前を走る車のスピード、歩行者の有無、信号の色、気象状況など、例をあげればきりがない。自動運転のテクノロジーには、自動車だけでなく、それを取り囲む周囲の状況に関するデータを蓄積し、人工知能の深層学習を重ねることなど、さまざまな取り組みが求められる。

 本年4月、トヨタ自動車はパーク24とカーシェア事業で業務提携を行った。パーク24のカーシェアビジネスはデータの宝庫だ。1台の車がシェアされることで、車の使い方、運転、走行時の環境など多様なデータが収集できる。それに着目し、トヨタは60台のC-HRをパーク24のカーシェア事業に提供している。

 駐車場とカーシェアのビジネスが融合し、そこに自動運転のテクノロジーが付加されていくと、さまざまな展開があるだろう。たとえば、駐車場に物流拠点の機能が加わるとどうだろう。自動運転のテクノロジーを搭載した車両が、駐車場で荷物を積み込まれ、届け先まで配送する。そうすれば、物流業界が直面する人手不足の問題を軽減できるかもしれない。そうした可能性があるから、世界各国で自動運転などモビリティに関するテクノロジー開発が進められている。

 パーク24は、ICTなどの先端テクノロジーの活用と多数の企業との提携を通して、新しい取り組みを進めることができるだろう。駐車場に物流の機能が付加されれば、そこを中心にヒトやモノが移動する“動線”ができるだろう。また、パーク24がカーシェアビジネスのノウハウを活かして、ライドシェアなどほかのシェアリングエコノミーのプラットフォームを提供することも考えられる。IT先端テクノロジーを活用し、同社がさらなるイノベーションの発揮を目指すことを期待したい。
(文=真壁昭夫/法政大学大学院教授)

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