カジュアル衣料大手のしまむらが6月25日に発表した2018年3〜5月期決算は、売上高が前年同期比0.3%減の1376億円、最終的な儲けを示す純利益が同32.7%減の47億円だった。売上高と純利益は2四半期連続で前年実績を下回った。
主力の「ファッションセンターしまむら」が足を引っ張った。18年3〜5月期の売上高は1.6%減の1052億円だった。
既存店売上高は、前年を下回る月が目立っている。特に6月度が前年同月比11.7%減、5月度が同7.7%減と大幅な減収だった。4月度こそ増収となったものの、3月度までは7カ月連続で前年を下回っている。
不調が続いている理由として、「ヒット商品が無かったこと」「新しいレイアウトがうまく機能しなかったこと」の2点が指摘されている。
しまむらは16年から売り場改革に着手し、什器を低くしたりゴンドラをなくすなどして、歩きやすく見やすいレイアウトへの変更を推し進めてきた。
それに伴い、衣料品の種類を減らした。その一方でコア商品の在庫はしっかり確保し、1種類あたりの販売量を多くすることで全体の売り上げの底上げを図った。しかし、そのもくろみは見事に外れた。ヒット商品がいくつかあれば、1種類当たりの販売量を増やすことができたのだが、残念ながらこの1~2年はヒット商品に恵まれず、販売は伸び悩んだ。結果として選択肢を減らしただけで終わってしまい、しまむらの魅力のひとつである「宝探し」要素が低下し、客離れにつながった。
問題はこれだけではない。ファッション性の低さが大きい。言うまでもないが、衣料品においてファッション性の欠如は致命的だ。それは、カジュアル衣料といえども例外ではない。残念ながら、しまむらのファッション性は高いとはいえない。
そのことを示す調査結果がある。マーケティング情報紙「日経MJ」が調査会社モニタスを通じて、しまむらやユニクロなどの低価格カジュアルブランドについてアンケートを実施した。そのなかで、ブランドイメージを複数回答で尋ねたところ、しまむら、ユニクロともに「価格が安い」が最多で、それぞれ65.8%と49.4%を占めた。次いで、ユニクロは「シンプル」(39.8%)だったが、しまむらは「安っぽい」(27.6%)だった。さらに、「ダサい」という印象もユニクロを上回ったという(3月12日付日経MJ)。
しまむらは安さが魅力としてある一方、「かっこ悪い」と感じる消費者が少なくないといえる。