東京のいたるところで再開発の工事が進む。ビル、ホテル、商業施設が次々と生まれ変わり、街に新たな息吹を吹き込んでいる。
メインとなっているのは、東京都が設けた「アジアヘッドクォーター特区」。東京都心・臨海地域、新宿駅周辺地域、渋谷駅周辺地域、品川駅・田町駅周辺地域、羽田空港跡地、池袋駅周辺地域の6エリアだ。国際戦略総合特別区域のひとつとして2011年に国の指定を受け、外国企業誘致プロジェクトを進めている。そこに20年の東京五輪開催に向けたインフラ整備が加わり、東京は日々刻々変貌している状況だ。
日本各地の自治体が人口減に悩むのをよそに、人口1380万人のメトロポリタン・東京は日本国内ばかりか海外からも人を引き付け、膨張が止まらない。都の外国人人口は52万1500人(18年)。1990年は21万1067人だったから、この30年弱の間で2.5倍になった。そこにインバウンド(訪日外国人客)の爆発的増加である。17年のインバウンド総数は2869万人。今年は10月までの推計で約2600万人だから年間3000万人突破が確実視されている。そのうち東京に宿泊する外国人客は断トツで、年間延べ宿泊者数(宿泊者数×日数)は1978万人泊(17年)にも達する。2位は大阪府の1167万人泊だ。
東京五輪に向け、東京の肥大化、国際化は加速する一方だ。
増え続けるインバウンド、ビジネス客を狙いホテルの建設ラッシュ
東京の宿泊事情をもう少し見てみよう。昨年1年間の全国の延べ宿泊者数(日本人と外国人)は5億960万人泊。東京は5995万人泊(前年比4.2%増)で、北海道(3556万人泊)、大阪府(3321万人泊)を大きく引き離している。ホテルの年間の客室稼働率は80%で大阪府の82.4%に次いで2位。
この数年、東京はじめ大阪、京都、福岡など各地でホテル建設ラッシュが続いている。東京の場合、17年以降のホテル新設計画は40件以上もある。今年に入ってからも新規開業が相次いでいる。
ロボットによるサービスで話題となった「変なホテル」は18年2月に地下鉄新富町駅近くに「変なホテル東京 銀座」を、7月には「変なホテル東京 赤坂」をオープンした。