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かつて為替が固定相場で“1ドル=360円”というレートだった頃は、それだけで輸入車の価格は今では信じられないほど高いものであり(物価比)、まさに“お金持ち”しか乗れないクルマであった。その後、為替の自由化も進み、サラリーマンでも手を出せる価格設定のクルマが多くなっても、固定相場時代のイメージが強すぎることもあり、日本車と輸入車は厳然と分け隔てられた“別世界”のような時代が続いていた。
かつて、ある老舗の輸入車販売ディーラーで「最近はサラリーマンのお客様も増えてきましたので、値引き交渉がきつくなりました」という話を聞いたときに、輸入車の別世界観を改めて知ったことを今も記憶している。
日本中で“輸入車=ぜいたく品”という強烈なインパクトは21世紀になっても残り、長い間「輸入車は東名阪(東京、名古屋、大阪)でしか売れない」ともいわれていた。実際は、東名阪以外の主要政令指定都市(札幌、仙台、福岡など)でも輸入車はそれほど抵抗なく売れていたが、そのほかの地方部では、たとえ輸入車に興味があり、しかも資産家などで購入可能であったとしても、「あの家は輸入車を買えるほどお金を持っている」などと近所で噂になるのを嫌い、輸入車を避けてクラウンやセドリックなどに乗る人も多かった。
そんななか、2005年に日本国内でレクサスブランドが開業すると、輸入車に興味のある地方在住の富裕層が「これはトヨタでつくっているから」とよく乗るようになり、「地方部でレクサス車がよく売れている」といった話も聞いたことがある。
地方にも浸透する輸入車人気
ところが、「ここ最近は輸入車に新しい動きが出てきた」と前出の事情通。
「ある欧州ブランドの大型セダンがいよいよ日本でも発売になるとして、インポーターが全国のディーラーから発売前の予約受注の受付を開始したことがありました。すると、当初の『東名阪ぐらいがメインになるんだろうな』という関係者の思いをよそに全国各地から予約受注が殺到し、初期ロット(最初に日本に陸揚げされる車両)の枠を超えてしまい、抽選になったそうです」
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