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Tカード、会員情報を無断で捜査当局へ提供発覚…CCC、法的に問題となる可能性

文=編集部、協力=山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士

 私は、クライアント企業に捜査機関から捜査協力がされた場合には、この「捜査関係事項照会書」をしっかりともらうように、と指導しています。そうすれば、あとから個人情報の第三者提供について文句を言われたときでも、“免罪符”として使えるからです。

 今回の場合、具体的な事件についての捜査であり、かつ当該捜査のために必要性が認められるものであれば(これが、「任意の捜査」が許される基準です)、個人情報保護法23条の例外として、法的には問題ないのかもしれません。

 しかし、具体的な事件についての捜査ではなく、恒常的に「刑事さんに個人データを出せ、と言われたら、特に具体的な事件に関するものかどうかを考えずに、そのまま提供していました」というのであれば、法的に問題となります(「任意の捜査」の要件を満たさず、したがって、「法令に基づき」とは言えなくなる可能性があるからです)。

 このような場合、まずCCC対し、「個人情報保護委員会」から違反行為の中止や是正命令が出されることでしょう。

 なお、企業などが捜査機関から顧客情報の提供を求められた場合の対応ですが、まずは「捜査関係事項照会書」をしっかりともらっておきましょう。ここで任意に応じても結構ですし、任意に応じなければ捜査機関が「強制捜査」としての「差押え」をするかどうか判断し、あとは裁判所の判断(令状を出すかどうか)なので、このように“他人任せ”で結構です。
(文=編集部、協力=山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士

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●山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士
時事ネタや芸能ニュースを、法律という観点からわかりやすく解説することを目指し、日々研鑽を重ね、各種メディアで活躍している。弁護士法人ALG&Associates執行役員として法律事務所を経営し、また同法人によせられる離婚相談相続問題刑事問題を取り扱う民事・刑事事業部長として後輩の指導・育成も行っている。芸能などのニュースに関して、TVやラジオなど各種メディアに多数出演。また、企業向け労務問題、民泊ビジネス、PTA関連問題など、注目度の高いセミナーにて講師を務める。労務関連の書籍では、寄せられる質問に対する回答・解説を定期的に行っている。弁護士としては、企業法務交通事故問題、離婚、相続、刑事弁護など幅広い分野を扱い、特に訴訟等の紛争業務にて培った経験を様々な方面で活かしている。

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