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大塚家具、延命措置が限界に…セール乱発&店舗閉鎖“頼み”、久美子社長の“反父親”経営失敗

文=真壁昭夫/法政大学大学院教授
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 業績が悪化するなか、大塚家具は長期的に有効と考えられる対策を実行できていない。同社の対応は、店舗閉鎖によるコスト削減と、セールによる一時的な収益獲得に終始している。店舗閉鎖は、従業員の士気を低迷させる。接客を強みとしてきた同社にとって、それは致命的だ。また、度重なるセールによって、大塚家具は良いものを相応の値段で売る家具販売企業としてのブランドを、自ら壊してしまった。それが顧客離れに拍車をかけた。大塚家具は負のスパイラルに落ち込み、もがけばもがくほど苦しい状況に直面してしまっているように見える。

混迷深まる大塚家具の本業

 
 苦境から逃れるために、大塚家具はアライアンス(業務・資本面などでの提携関係)を進めてきた。特に、大塚家具は目先の資金確保を重視してアライアンスを進めてきたように見える。その結果、大塚家具の本業が何か、何をしようとしているのか、よくわからなくなってしまった。大塚家具は暗闇で道がわからなくなり、右往左往している旅人のような状態にある。

 2017年11月、大塚家具は経営再建を進めるために貸し会議室大手のTKPと業務・資本提携を締結した。この提携の目的は、客離れによって余剰となった売り場を貸会議室として運営し、収益を補うことにあった。同時に、大塚家具にはTKPからの追加出資に関する淡い期待もあっただろう。

 これは、大塚家具にとって大きなつまずきになってしまった。もともと、家具売り場だったところに突如として貸し会議室があるのは、かなり異質であり違和感がある。長い間、大塚家具で家具を買ってきた友人は、「同社が家具販売に背を向け、何を目指しているかよくわからなくなった」との感想を口にしていた。大塚家具は家具を売るというビジネスの原点から、自ら遠ざかり始めたといえる。

 昨年12月、大塚家具は事業強化のために中国家具販売大手との提携を発表した。さらに2月15日、同社は日中間の越境EC企業との提携に加え、約38億円の第三者割当増資を発表した。

 この取り組みは遅い。すでに、EC事業にはさまざまな企業が参入しており、競争が激化している。成長性を高めるためには、発想の転換が求められる。すでに、家具市場では販売に加えサブスクリプション・ビジネスへの取り組みが進んでいるからだ。サブスクリプション・ビジネスとは、企業が顧客に継続的に課金し、顧客の好みに合った商品などを提供するサービスをいう。デジタル技術の活用によって、顧客の好みに合った商品やサービスを提案したり、契約の手間を減らすことなどがその特徴だ。

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