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ジャパンディスプレイ、現預金激減で経営危機深刻化…中国ファンドの軍門に降る

構成=長井雄一朗/ライター
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JDI、台中資本の傘下入りか

――いずれにせよ、資金繰りは厳しいですね。

原田 筆頭株主であるINCJから1070億円の債務保証を受けていますが、これは事実上の政府保証です。これを基に、JDIは金融機関と総額1070億円のコミットメントライン契約を締結しています。ただ、大幅な増額は難しく、契約期間は1年間で19年8月7日が期日です。

 JDIの不安要因として、四半期ごとの現預金残高の目減りがあります。18年3月末で809億円あった現預金は9月末に622億円にまで減り、12月末は544億円に減少しました。通期で200億円超の営業赤字を見込み、第4四半期の営業キャッシュフローもマイナスが続く可能性があり、本業でのキャッシュ創出力は当面期待できません。今期1年を見てもキャッシュはどんどん出ていき、現金の減少については取引先が懸念を示しています。

 決算発表の記者会見でも「INCJの保証1070億円のコミットメントラインは継続されますか」「アップルからの前受金はどうなりますか」など資金繰りに関する質問が集中しました。すでにJDIは能美工場を売却し、200億円を調達しています。打てる対策が限られているので、その対応に注目が集まっているのです。

――そこで、かねて取り沙汰されていたグローバル企業からの出資について、台湾や中国の企業連合から総額1100億円超の資本増強を受け入れ、さらにINCJから追加支援を受ける方向で交渉中のようです。

原田 現預金が減り続けているわけですから、グローバル企業とのパートナーシップについては資本提携まで踏み込まなければ意味がないと思っています。投資家や取引先としては、これを機に再建の進展を期待したいところでしょう。
(構成=長井雄一朗/ライター)

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