マクドナルドの朝の時間帯のみ販売されるメニュー「朝マック」について、20年前の価格と現在の価格がSNS上で比較され、話題になっている。マクドナルドの業績は好調であるが、原材料費やエネルギー価格の高騰を受けて、この1年で3回にわたり値上げを行っている。
だが、それでも一部の商品は20年前より安かったりする一方、大幅に値上げされているものもあり、消費者たちからは混乱の声があがっている。
そんななか、ここに衝撃的な画像がある。なんと1985年ごろのマックのメニュー表だ。今から38年前、定番商品の「ハンバーガー」は210円だった。消費税が導入される前なので、この価格が購入価格だ。
「日本マクドナルドは1971年7月20日に東京・銀座三越内に国内1号店が開店して以来、50年以上の歴史がありますが、『ハンバーガー』は、1985年から2000年までは210円で、最も高額でした。この間、期間限定で何度か80円や65円といったキャンペーンが行われ、2000年以降は60~80円で推移します。そして2005年頃から100~120円で落ち着いていました。しかし、2022年3月以降、110円→130円→150円と値上がりし、今年1月からは170円になっています。この1年で急速な値上がり感がありますが、世界に比べると日本はこの40年、あまり価格が変動していないことがわかります」(経済評論家)
ハンバーガーだけでなく、「朝マック(当時は<ブレックファーストメニュー>)」の定番メニューである「ソーセージエッグマフィン」は300円(現在は290円~)、「エッグマックマフィン」は250円(同240円~)、「チーズバーガー」は240円(同200円~)、「ホットアップルパイ」は150円(同140円~)など、1985年当時のほうが高いメニューも多くある。
一方で「フィレオフィッシュ」は260円→370円~、「ビッグマック」は370円→450円~、など大幅な値上がりを見せているものもある。
「こうしてみると、定番商品はなるべく価格を据え置き、販売数を増やすことで利益を確保してきたことがわかります。反対に、見栄えの豪華な商品は価格を上げて原材料費の高騰分を賄い、ほかにも価格が比較されにくい新商品を定期的に導入することで、売り上げを伸ばしてきたのでしょう。実際、1985年当時と比べると、商品数が桁違いに増えています」(同)
イギリスの経済専門誌『エコノミスト』によって考案された、各国の経済力を測るための指標のひとつに「ビッグマック指数」がある。「ビッグマック」は、多少の違いはあるものの、全世界でほぼ同一品質とされ、原材料費や店舗の光熱費、店員の労働賃金など、さまざまな要因を基に単価が決定されるため、総合的な購買力を比較するのに都合がよいのだ。
そのビッグマック指数でみると、日本は昨年7月時点で世界41位。欧米やアジア各国に比べても購買力は弱い。消費者の立場から見ると、値上がりは歓迎したいものではないが、経済が成長していないという事実にも考えさせられるものがある。
緩やかな物価上昇と、それに対して十分な賃金上昇が伴ってほしいところだ。
(文=Business Journal編集部)