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メルカリでゴミ返品され事務局に相談→対応拒絶…SNS炎上すると態度一変

文=Business Journal編集部
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メルカリ公式サイトより

 メルカリで詐欺被害に遭ったとの報告がX上で注目を浴びている。しかも、事務局の対応がSNS上で大きな反感を招き、メルカリで似たようなトラブルを経験した人たちから怒りの報告が相次ぐ事態となっている。トラブルを経験した当事者に話を聞きつつ、被害をなるべく避ける方法や、被害に遭った際の対処法を検討してみよう。

 現在、X上で注目を浴びているのは、「にゃーちゃん」のアカウント名でXを利用しているユーザー。にゃーちゃんは11月11日、「メルカリで窃盗にあいました」と報告。その窃盗の内容は、「新品未開封のプラモデルを発送しました。 購入者からパーツ破損のためキャンセルしたいと連絡があり、メルカリからの指示もあり返品に応じました。着払いで届いた商品を開封すると中身がほとんど抜き取られ、ゴミが入っていた」というもの。にゃーちゃんは続けて「どうしたらいいのか知恵をください」とフォロワーたちに見解を求めた。この投稿は、14日までに2500万回以上読まれるほど注目を浴びることになる。

 関心を集める要因となったのは、窃盗被害に遭ったからというだけではない。被害に遭った旨をメルカリ事務局に報告しても取り合ってもらえなかったことが大きい。写真を付けて報告しても、「購入者に確認したところ返品したものに間違いはなかったと連絡があった」として、事務局によって取引はキャンセルされ、商品の中身は相手に抜き取られた挙句に、代金は購入者に戻される事態となったのだ。にゃーちゃんは、その後も何度も事務局に交渉したが、事務局は「警察か弁護士に相談してください」との回答で、納得のいく対応はしてもらえなかった。

 この一連の事務局の対応を受け、X上はメルカリ事務局への批判の声が殺到。まとめサイトにまとめられたり、インフルエンサーによって情報が拡散されたこともあり、メルカリは炎上状態となった。すると、手のひらを返すようにメルカリは「補償する」と態度を一変。販売利益を入金してきたという。

何度相談しても無視→炎上したら手のひら返し

 にゃーちゃんに取引の流れと事務局の対応について話を聞いた。

「新品未開封のプラモデルをメルカリに出品しており、購入者に商品を発送したのですが、『部品が破損しているのでキャンセルしたい』と連絡がありました。通常、購入者に対し、『ご購入ありがとうございます』などの挨拶や『発送しました』といったメッセージを送っても返事がなかったので、違和感はありました。そして、最初のメッセージがキャンセルの連絡だったのです。段ボールで2重に梱包するなど注意を払って送付したので、破損の可能性は低いと思い、返品を受け付ける前にメルカリ事務局に相談しました。

 すると、事務局からは返品に応じるようにとの指示があったので、それに従って返品に応じました。その際、購入者が送料を負担するとの約束でしたが、着払いで荷物が届きました。その旨を事務局に連絡したところ、メルカリが送料を補償するとのことだったので受け取りました。

 そして荷物を開封してみると、まったく別の品が入っており、さらに私が送ったプラモデルはパーツがすべて抜き取られ、ゴミが入っていたのです。そこでメルカリ事務局に連絡し、写真付きで被害の状況を伝え、返品は受けたくないと相談したのですが、返答は『購入者に確認したところ、返送した品に入れ間違いはないとのことなのでサポートは終了する』という内容で、取引を強制的にキャンセルされたのです」

 その後も、にゃーちゃんは事務局には何度も相談したが、「これ以上のサポートはできない」「警察か弁護士に相談してほしい」「補償はできない」との決まり文句が返ってくるだけで、取り合ってもらえない状況が続いていたという。

 だが、X上で一連の流れを報告していたところ、大きな注目を浴び、事態が急変。これまでメルカリ事務局とはアプリ上で連絡を交わしていたが、突如「メルカリのSNS担当」から「経緯の見直しおよび補償をする」とのメッセージが届いた。さらに事務局からも「販売代金の入金および購入者へ“然るべき対応を検討”」する旨の連絡があったという。

取引相手は常習的に商品を詐取か

 にゃーちゃんは、事務局からの「双方の取引履歴等を総合的に判断し、補償することにした」と説明されたことに対し、「これまで何度も相談しているときに、相手の取引履歴等を確認せずに一方的にサポートを打ち切っていたと言っているようだ」と、怒りをにじませる。さらに、「取引相手の条件に制限をかけておらず、過去の取引履歴も確認していなかった」と自身の非を認めつつ、「事務局のサポート体制は改善してほしい」と要望する。

 さらに、今回取引を行った相手が過去にも複数回、トラブルを起こしているようで、常習性をうかがわせる悪い評価が5つほどあったという。そのうえ、アカウント名を何度も変えて取引を繰り返しており、にゃーちゃんが事務局とやり取りを交わしている間にも、別名義でにゃーちゃんの出品物を購入しようとしていることから、その人となりに疑問が湧く。

 にゃーちゃんは2016年頃からメルカリを利用しており、これまで大きなトラブルは経験していなかったという。そのため取引相手を疑うようなことは念頭になく、今回はそれが痛い経験をすることにつながった。にゃーちゃんはBusiness Journal編集部の取材を受けた理由を「同じような経験をする人を減らしたいから」と語り、メルカリに対して「再発防止策を明確に打ち出してほしい」と強く要望する。

 にゃーちゃんの投稿を受け、X上では同じような体験を訴える人が続出している。「iPhoneを出品したが、購入者から『初期化されていない』として返品要求があり、受け付けたら無関係な本が返送されてきた」など、クレームをつけて返品対応を求め、別物を送り返すという詐欺的行為が頻発しているようだ。

 出品者がメルカリ事務局に相談した際の対応は、「購入者に確認→返送した内容物に間違いはないことを確認するとサポートを打ち切り、取引はキャンセル扱い」という流れで、その後は何度相談しても「警察か弁護士に相談するように」との回答しか得られないようだ。

 ネット上の詐欺に詳しいジャーナリストは、このような詐欺的被害に遭わないためには、「取引相手の過去の取引履歴や評価を確認することが必須」だと話す。「取引をした後は、返品された物が別物だったとしてもメルカリ事務局には対応してもらえないことが多く、警察に相談しても動いてもらえないことがほとんど」という。さらに、弁護士費用は高額なため、弁護士に相談するのも現実的ではない。そのため、泣き寝入りしている人も多く、やはり取引の前に相手を調べる以外に自衛する術はないようである。

 同様の詐欺的トラブルが頻発していることから、メルカリ事務局の対応まで理解したうえで、計画的に物品を不当に取得する輩がいる可能性もある。メルカリは、なんらかの対策を立てるべきではないだろうか。

(文=Business Journal編集部)

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