(1)批判派(50.9%)
やはり一番多かったのは「嘘をつくことはよくない」という意見。「共同でつくるなら理解できるが、他人に依頼して自分の作品として発表するのは詐欺行為だと思う」(60代男性)と、ゴーストライターの利用はファンを欺く行為と考える人が多いようだ。また、「その人の作品だと思って購入している人もいるから」(50代女性)というように、作品を買うユーザーとしての意見も目についた。そのほか、「聴覚障害のある方を傷つけたように、ゴーストライターは必ず誰かが傷つくから」(30代女性)と、佐村河内氏の騒動について回答をした人もいた。
(2)擁護派(11.7%)
目立ったのは「ズブの素人がものは書けない」(50代女性)、「本人が書くより面白い」(30代男性)など、作者とされる本人に作品をつくる能力や時間がない場合はゴーストライターの利用を容認する意見だ。さらに「ゴーストライターを生業とする人もいるので、甲乙の関係なのでは」(60代男性)と、ビジネスとしてゴーストライター利用を認める声もあった。一方、「昔からあったことなので気にならない。しかし佐村河内氏のような詐欺まがいのものは、裁かれるべき」(30代男性)と、擁護派ではあるものの佐村河内氏の件については例外とする人もいた。
(3)どちらでもない(37.4%)
「芸能人の自伝など、場合によってはゴーストライターを使うことは許される」(30代女性)、「人を欺くことはいけないが、出版業界ではよくあることなので」(40代女性)など、ゴーストライターの良し悪しはケースバイケースと考える人が多いようだ。また、「あまり好きではないが、持ちつ持たれつで生存競争に生き残っているのであれば必要悪」(50代女性)と、現実的に考えて「どちらでもない」と答える人もいた。
今回の調査結果からうかがえる、一般消費者が抱くゴーストライター利用への厳しい見方を、音楽業界や出版業界は今一度しっかりと受け止める必要があるといえよう。
(文=松原麻依/清談社)