「ものづくりのリアルを伝達することと、コンテンツとしての面白さを両立することに強くこだわっています。これまでは、どちらかというと前者に重きを置いたプロモーションを展開してきたので、ミニチュア表現は新たなチャレンジです。実際に取材に行ったメンバーが制作に入ることで、訪問した家庭の細部や、その雰囲気に至るまでリアルにミニチュア化することができました」(同)
その狙い通り、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)などでも多くの支持を集め、ものづくりへの姿勢や動画の内容によって「心が温まった」などと称える声が寄せられるなど、評判は上々な様子だ。
『モロッコのお母さんのフラワーウォーターの作り方』
動画URL http://youtu.be/LmhDIFagvbk
飲料品販売をするに当たって、メーカー各社が何よりも大切にするのは、そのブランドイメージだ。そのため、各メーカーは多額の広告費を投じてブランドイメージを高めることに腐心している。「世界のKitchenから」は、他ブランドのように飲んだ後の爽快感を訴求したり、タレントイメージに頼るといった方法ではなく、「本物」であることの世界観を大切にしている。だからこそ、緻密すぎるミニチュア動画で消費者にこだわりをアピールしているのだ。そして、その「本物の魅力」を伝えるためには、広告のビジュアルや15秒のテレビCMだけでなく、より自由な表現が可能になるウェブ媒体が重要になってくる。
「インターネットは、ブランドのコンセプトを興味や嗜好に合わせて知っていただける重要な媒体です。特に、動画には感情や心の動きにまで訴えられる力があります。これからも『世界のKitchenから』らしい、お客様とのコミュニケーションにチャレンジし続けたいと考えています」
今後も、繊細な映像クオリティで「ものづくりへのこだわり」を見せてくれることを期待したい。
(文=萩原雄太)