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サントリー、ビール事業分社化で50年目の独り立ち 世界戦略本格化への序章

文=編集部
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ビール事業分社化の狙い

 サントリーHDは、ビール事業単体の売り上げと利益を公表していない。14年1~6月期連結決算によると、ビールとウイスキーのビール・スピリッツ事業の売り上げは前年同期比25.9%増の3313億円、セグメント利益は55.7%増の208億円だった。これはビーム買収の効果によるもので、ビール事業が利益を出しているわけではない。

 そのためサントリーHDはビール事業を分社化することにより、事業の独立性と責任を明確にさせる。迅速な経営判断や独自の人員計画策定などのメリットがある一方、総務や経理の事務コスト増などのデメリットもある。サントリービールの分社化により、これまでウイスキー事業の利益に寄りかかってきたビール事業を、今後は独立採算の会社として独り立ちさせる。そこからは、ビームサントリーを取り込んだ海外事業で上げたウイスキー事業の利益は、今後の海外でのM&Aに充当するという戦略が透けて見えてくる。ビール事業の分社化は、海外戦略強化の産物にほかならない。

 飲料業界では、業界2位までしか生き残れないというジンクスがある。サントリービールの国内シェアはまだ15%台だが、30%台で競い合っているアサヒとキリンを逆転する日が来るのか。分社化の成果が問われる。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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