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「その典型が、昨年9月発売のフィットHVだった」と同関係者は言う。現場では「未経験のDCTを採用したこともあり、フィット旧車種開発時の6倍の要員が必要だったがそれを確保できず、結局2.5倍の要員で開発を進めなければならなかった。当然、大半の技術者が徹夜続きになるなど、外部から見ていても現場の負荷は半端なものではなかった」と振り返る。その煽りで、肝心の品質管理に手が回らなかったようだ。
●品質保証体制強化への取り組み
こうした見方についてホンダ関係者は、「世界同時開発体制は、もはややめられない」と打ち明ける。激化するグローバル規模でのコスト競争で、同社が生き残るためには不可欠な体制だからだ。しかし、フィットHVの開発で露呈した品質管理の脆さを克服しなければ、グローバル競争どころではなくなる。そこで同社が10月23日に明らかにしたのが「品質保証体制強化」だった。
具体的には、同社四輪事業本部に「品質改革担当役員」を配置し、全社の品質管理体制を横断的に指揮するとともに、開発部門である本田技術研究所の副社長を兼務する。これにより、本田技術研究所での開発段階における品質管理体制を強化すると同時に、生産・カスタマーサービス部門の品質管理部署が連携して品質チェックをする体制を整える。同役員ポストには、社内で「ミスタークオリティ」とも呼ばれる専務執行役員の福尾幸一氏が11月1日付で就任した。
「技術のホンダ」の新たな挑戦が始まっている。
(文=田沢良彦/経済ジャーナリスト)
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