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2023.07.07 21:39
2014.11.29 00:09
河村康彦「クルマ、再考」(11月29日)
何が軽自動車を歪めるのか?理不尽な規制と“飴”が、海外で通用しない車を生み出す
確かに、カタログ上の燃費に目をやれば、その向上ぶりは日進月歩の勢い。だが、それはあくまでも「ハンドルも切らなければエアコンも使わず、最高速も時速80km止まり」という、いわば”現実離れ”をした試験モードをなぞった結果の数値にすぎない。それゆえ、30km/リッター走ると謳われるモデルが、実際には20km/リッターもいかないといった現象は多くの人が体験済みであるはず。さらには、事実上の”排気量増大装置”であるターボを備えたモデルでは、アクセルをガンガン踏むとカタログ値の半分も走らないといった事態にもなってくる。
さらに問題なのは、以上のような日本固有の理不尽な決まり事を踏まえて開発されたモデルでは、海外のマーケットではほとんど通用しないという点。
そう、これこそが「軽自動車はガラパゴス商品」と揶揄をされてしまう最大の要因だ。せっかくの小さなクルマづくりの技術を世界にアピールすることもままならず、結局は税制面の恩恵に頼りきった”保護政策”の下に生き続ける軽自動車――そんなクルマに、明るい未来など待っていようはずもないのである。
(文=河村康彦/モータージャーナリスト、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員)
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