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●酒類消費が落ち込む国内市場での活性化策はあるのか
話を国内に戻そう。酒類メーカーに共通した悩みは、少子高齢化の進行に伴う酒類消費量の落ち込みである。成人1人当たりの酒類消費量は1992年の年間101.8リットルをピークに減少傾向にあり、12年には82.2リットルへと2割も減少した(国税庁データ)。
そうした中で、例外的に大幅に伸びたのが梅酒である。健康志向の高まりを背景に04年からの梅酒ブームで、梅酒の出荷量は2000万リットルから11年には3900万リットルとほぼ倍増した。しかし、12年は3800万リットルとなっており、頭打ちの傾向にある。そこで海外市場の拡大が急務となっているのだが、国内市場の再活性化も同時に取り組まなければならない課題だ。それについて中野副社長はこう語る。
「梅=健康をキーワードにしていきたいです。その戦術として各種イベントや、東京でも開催している梅酒の漬け込みセミナーを考えています。『祖母が梅酒を漬けていた』といった声を聞く機会が多いのですが、それを『家で漬け込んだ梅酒がある』との声が増えるようにしていきたいです。梅酒市場は飽和状態といわれますが、さまざまなメーカーから新商品が発売され、和リキュールとしての広がりが出てきたのも事実です。その中で中野BCにしかできないことを実現させたいと考えています。その一つが“原点回帰”です。和歌山が本場であることも含めて、本物の梅酒を追求していきたいですね」
梅酒の本場・和歌山の酒類メーカーとして、「健康」と「本物」をキーワードに、梅酒のブランド価値をさらに高いところに持っていく。それが国内市場の活性化につながるということか。
(文=編集部)
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