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東芝は、海外でのテレビ事業から撤退する。既存事業を温存して再起を図ろうとしてきたシャープは、太陽電池やテレビ事業の売却に加え、さらに一歩踏み込んで大型パネルの収益改善策など、抜本的な構造改革を迫られることになるだろう。高橋社長は前出会見で「テレビも携帯電話事業も黒字。黒字の事業をやめたら株主代表訴訟を起こされますよ」との楽観的な見通しを述べていたが、事業再編は手つかずの状態だったことを高橋社長が公式に認めていたということだ。
シャープの再建は正念場を迎えた。新中計で「抜本的な改革を打ち出し、不退転の決意で臨む」(高橋社長)としているが、「選択と集中(だけ)では会社はもたない」と事業の整理には消極的な発言も出ている。
そうした中、シャープは北米テレビ事業から撤退する検討に入ったと、みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行の主力2行に伝えた。メキシコ工場を売却し、北米でのテレビ販売から撤退する。同工場は13年3月期に台湾・鴻海精密工業と売却に向けて交渉したが条件が合わなかった。シャープのテレビ事業は15年3月期に4000億円の連結売上高を見込んでいたが、これも未達に終わりそうだ。海外での不振で、100億円を超える赤字となる。北米のテレビ販売台数は14年3月期時点で約90万台と、北米市場におけるシェアは2%にすぎない。
予想外の価格競争や官製ファンドが支援するJDIの攻勢を受け、シャープが再び経営危機を迎える気配が強まっている。
(文=編集部)
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