オリックスはリース、保険、投資事業を手掛ける金融会社。14年3月時点でスカイマークの発行済み株式の1.3%を保有する第8位の株主で、関係が深かった。スカイマークが運航している機材は全機リースのため、スポンサーになることで大口のリース先を確保する思惑がある。
大和証券系のファンドは、投資による収益を考えている。新生銀行も出資に名乗りを上げた。
出資を伴わない事業支援については、福山通運や日本交通などの運輸業のほか、双日も応募した。IT企業からも支援の表明があり、手を挙げた企業は20社弱に達した。アドバイザーのGCAサヴィアンが航空会社、商社など100社以上に支援を打診しており、今後航空業界以外からは5社程度に絞って本格的な交渉に入る。スポンサー選びは、3月上旬にズレ込むことになりそうだ。
超大型機の売買契約をめぐり、スカイマークに7億ドルの損害賠償を求めているエアバスの意向が、支援企業選びのカギを握るとの見方が出ている。今後、民事再生法を申請したスカイマーク最大の債権者となる可能性があるからだ。エアバスは、支援候補企業が同社の航空機を購入できる企業体力をどれだけ持っているかに関心を持っているとされる。「本命視されているANA HDとは、水面下で話し合いに入った」(欧州筋)という。
●異色の経歴を持つ佐山展生氏
時の人となったインテグラル代表取締役パートナーの佐山氏とは、どんな人物なのか。
1953年12月京都府生まれ。京都大学工学部高分子化学科卒業後、帝人に入社し、ポリエステルの開発に携る技術者から、87年に三井銀行(現三井住友銀行)へ転職した変わり種だ。同銀行ではM&A部隊を率いた。98年10月、江原伸好氏と共同で独立系投資ファンド、ユニゾン・キャピタルを立ち上げた。江原氏は米投資銀行ゴールドマン・サックスで日本人初のゼネラル・パートナー(投資先を選択する経営幹部)となった人物。2人は経営陣と共同で当該会社を買収するMBO(マネジメント・バイアウト)を基本に据え、外資系の敵対的買収とは一線を画した。
ユニゾンの最初の資金スポンサーとなったのがオリックス。オリックス社長(当時)の宮内義彦氏は江原氏のファンドマネージャーとしての手腕を高く買い、ユニゾンが組成した初のファンドに30億円出資した。ユニゾンは03年に日本初のプレパッケージ型(申請前にスポンサーを内定しておく)民事再生法案件である菓子メーカー、東ハト(06年、山崎製パンに売却)を買収するなど実績を積み上げた。ユニゾンは日本の投資ファンドの「御三家」の一つと呼ばれるまでに急成長した。1号ファンドの出資契約が終了したのを機に、佐山氏は江原氏とのコンビを解消し独立。04年4月、日本初のM&A助言会社GCA(GCAサヴィアンの前身)を設立した。